映画『終わりで始まりの4日間』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『終わりで始まりの4日間』

原題:Garden State
私は泣いたことがない・・あの日から、あの日、母を突き飛ばしてしまい、母は転倒のショックで首を痛め半身不随の車椅子生活を余儀なくされ、彼の自我も・・
garden_state_ver4 終わりで始まりの4日間
乱気流に巻き込まれた飛行機、周りの乗客が悲鳴をあげるなか平然とうつろな表情の彼、父から電話で母が浴槽で溺死したとの知らせにも嘆くでもなく泣くでもなく表情も変えずに・・9年ぶりの故郷に帰省する。ロスで売れない俳優のアンドリュー・ラージマン(ザック・ブラフ)は、あの日以来、精神安定剤を医者に進められるままに常用していた。が、帰省をきっかけに薬を断とうと思ったことが始まりだったのかもしれない・・。
父親もまた面白い、この子にしてこの親ありといった風情で、ボ~ンヤリしているところが似ていて、なんだか微笑ましいぐらい。彼の同級生たちもユニークなのだが、彼にとって人生の転機となるのは、サム(ナタリー・ポートマン)との出会い、彼女は天真爛漫な女の子ながら病的なほどウソをつく、キスして欲しいと思った瞬間に、キスはダメよって言ってしまうそんな女の子、そんな二人の共通点は周囲の人々から浮いた存在であること、そんな二人だからこそ、共感しあうものがあったのだろう・・
この映画、犬が座り込んで左手(左前足)をヨイヨイしてるかと思えば実は自分のタマキンをスりスリしてるなんて、とっても笑える・・のだが、ホントに面白いのは、とても恋など芽生えそうにないと思える彼と彼女が、4日間で結ばれていく過程だよね、・・ハッピーエンドになったとき、二人があまりに普通の人になってしまっていたので、それだけが面白みに欠ける残念な点だ。観逃している人がいれば、機会があれば、是非観たらいい、と思う映画のひとつ・・。(11/21wowow)