映画「船を降りたら彼女の島」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「船を降りたら彼女の島」

マリッジブルーな感傷に浸る・・初恋は悲しい。"わが恋は 三島の浦の うつせ貝 むなしくなりて 名をぞわづらふ"、鈴に秘めた瀬戸内の鶴姫の伝説
船を降りたら彼女の島 kimura_yoshino

東京の出版社で勤める25歳の久里子(木村佳乃)は、近く結婚することの報告を兼ねて、父周三(大杉漣)と母泰子(大谷直子)の住む瀬戸内・愛媛は瀬ノ島へと帰郷する。親戚や懐かしい人々を訪ねて歩いた後、初恋が秘められた鈴を倉庫で見つける。父母に結婚のことを言い出せないまま、幼なじみの健太(照英)にはデートに付き合うよと偽り、小学校卒業で離ればなれとなった初恋の人を訪ねて行くが、・・既に交通事故で亡くなっていた。あの別れの時に渡した鈴は最後まで大事にしていたという。・・なのに自分は、13年間すっかりと、初恋の相手のことも鶴姫の伝説の鈴のことも・・忘れたまま別の相手と幸せな結婚をしようとしていたなんて・・マリッジブルー。故郷、懐かしい風景そして初恋の人、勿論初恋で結ばれた人もいるだろうが、初恋を胸の奥にしまい故郷をあとにした人にとっては、そんな思い出の人を訪ねてみたいという衝動は・・よく分かる。それでも、ほとんどそんな心の余裕など無いのが現実なのだが・・しみじみと鶴姫の思いと久里子の感傷と瀬戸内の景色に浸れる映画だ・・。(8/22NHK-BS2)  船を降りたら彼女の島