映画「ホテル・ルワンダ」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「ホテル・ルワンダ」

原題:Hotel Rwanda
1994年、アフリカはルワンダで民族の対立による大量虐殺の嵐が吹き荒れるなか、逃げまどう人々をホテル"ミル・コリン"にかくまう支配人の物語。
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時代は、フツ族とツチ族の内戦がようやく終結をみるが、当時のフツ族大統領が暗殺されたことを契機に、ツチ族に対する報復の虐殺が始まる。フツ族はベルギー統治時代からツチ族の支配下に置かれ積年の恨みから、ツチ族の根絶やしを目論んでいた。・・大統領暗殺の犯人は闇の中だが・・。
そんななか、フツ族の支配人ポール(ドン・チードル)は、家族を守るために奔走するが、・・ポールが好むと好まざるに関わらず彼の妻もまた虐殺対象のツチ族であり、ホテルはツチ族の人々と従業員で1,200人の避難場所となる。が、外国資本の高級ホテルは政府軍に対しては安全地帯でも、民兵に対しては無力だ。少数の国連軍は役立たずだ。ポールは政府軍の将軍に見返りを与え、操り、時には脅し、ツチ族の反乱軍との前線を越えて逃げ込むまで、100万人虐殺されたなかで持ちこたえ、ヒーローになるのだが・・。
この映画、例えばホテルの食料を調達した夜明け前の帰り道、道路にも川縁にも大量虐殺で放置された死骸を気付かず轢いてしまうところなど、ショッキングなシーンもあるが、ニュース映画を越えるほどの衝撃的な場面はない。それよりも家族や親族への思いとか、生と死の究極の選択を迫られた時の人間の行動とかに焦点を当てているようだ。民族対立と大虐殺を背景にしている割にはスリリングで息詰まるような印象は薄い。概して嫌いではないが、映画としては盛り上がりに欠けていると感じる。その要因には無意味な国連軍と、ホテルオーナー役をジャン・レノが演じていたことか・・イメージが合わないだろう!?・・・実話の映画化で妙に脚色された感じはないので好感は持てる。   ホテル・ルワンダ