映画「シュリ」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「シュリ」

原題:Swiri
あなたがいないと私も・・そうなるかも知れない・・キッシンググラミー、つがいの片方が死ぬと寂しさに耐えられなくて、飢え死にまでして後を追う・・。

Swiri - Movie Poster Shiri (Swiri)

シュリ(swiri)というのは、淡水と海水を自由に泳ぎまわる魚だという。朝鮮半島の38度線の北と南を自由に行き来できるようになりたい、祖国統一万歳を象徴するタイトルにしているようだ。この映画、現在の韓流ブームの元になったといわれるだけのことはあり、やや幼さは感じるもののなかなかバランスのとれたいい作品だ。・・・・・物語は1950年の朝鮮戦争勃発から約50年、いまだ陰謀渦巻くソウルへ、北朝鮮殊部隊隊長パク・ムヨン(チェ・ミンシク)のもとから工作員イ・バンヒがイ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)の名で日本で整形した後送り込まれる。狙撃手でありスパイである彼女は韓国情報機関"OP"・情報部室長のユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)に接近し、恋人関係から婚約までに至る1年を過ごした頃、2002年のサッカーワールドカップを控えて南北の親善試合がソウルで開催、標的はそこに集まる両国首脳、液体爆薬(CTX)あるいは狙撃で混乱させ再び統一のための戦いを始めるためのきっかけを作ろうとしていた。物語の悲劇はイ・ミョンヒョンがキッシンググラミーに象徴されるようにユ・ジュンウォンと深く愛し合ってしまったこと・・・爆破と狙撃に失敗した後・・まさにその彼の手によって短い一生を終える。・・・ラストーシーンでの余韻も忘れていない・・クライマックスの前に彼女が彼に残した伝言メッセージ、そこにはあなたと過ごした1年が私の一生のすべてでしたと、哀しい彼女の声・・・。半島分断の宿命の中で翻弄されながらも深い絆で結ばれていた。(1月ムービープラス)