映画「ALWAYS 三丁目の夕日」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」

出来立て東京タワー越しに、映える夕日も色あせる程、この映画は人を感動させ、泣かせることだけを目的に作られたに違いない。昭和33年、ミゼットに都電にフラフープにSLに集団就職に建設中の東京タワーに力道山。

ALWAYS 三丁目の夕日 三丁目の夕日 映画化特別編

物語の出だしは、やや平凡で退屈な印象を受けるが、ここで興味を失わず居眠りに誘われなければ、素晴らしい震えるほどの感動に出会えるだろう。中心となるのは、駄菓子屋店主で子供向け冒険小説作家の茶川竜之介(吉岡秀隆)と、親に捨てられた同居の少年・淳之介(須賀健太)の親子に勝る親子らしい関係、・・・捨てた親を高円寺まで都電で友人・一平(小清水一揮)と共に訪ね、会えず仕舞いで帰ってくるが、夜遅く心配して探し回った茶川竜之介が強く叱る。そして突然、現れた社長で裕福な実の父親が連れ去ろうとするが、振り切って彼の元へ戻ってくる健気で無口な少年、・・・泣かせてくれる。もう一つの柱は、下町で自動車修理を営む鈴木オートの短気な則文(堤真一)とやさしい母親トモエ(薬師丸ひろ子)と、そこに集団就職でやってきた六子(堀北真希)の物語。こちらのほうは、いい話ではあるが、泣かせるというよりは、薬師丸ひろ子がすっかりお母さんの役がはまっていて感心した。堀北真希も難しい役だと思うが、そこそこ可愛く演じ、一杯飲み屋のおかみで謎を秘めたヒロミの役は小雪が明るくこなしていたので心暖まるような安心感があった。西岸良平「三丁目の夕日」、夕日町三丁目、これでもか、これでもかと感動を押しつけてくる。成功した映画化作品といえるだろう・・・。  http://www.always3.jp/   http://www.plala.or.jp/cinema/movie/always/