映画『砂と霧の家』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『砂と霧の家』

原題:House of Sand and Fog  -悲しむべきは人の性か-
極めてシリアス、極めてハードボイルドな映画だ。登場人物が本当はみんないい人なのに、あまりに酷い結末を迎える。
House of Sand and Fog ベン・キングスレー

結婚生活が破綻し海辺の一軒家で引き籠もりのキャシー(ジェニファー・コネリー)は、わずかな税金の滞納で家が競売にかけられ追い出されてしまう。イランの元大佐ベラーニ(ベン・キングスレー)一家が有り金はたいてこの家を手に入れる。が、税金滞納は手違いと後から気付き、キャシーは家を取り戻そうともがくが、ベラーニ一家も後戻りはできない。
終始、観ていてハラハラドキドキさせられる。息詰まるような展開だ。キャシーは何をするかと思えば思いあまって自殺を図り、ベラーニ一家に助けられたと思えば、キャシーの不倫相手が一方的に横やりを入れてきて、一家を責める。果ては拳銃を持ち出し・・・結果、一家の一人息子が別の警官に射殺されてしまう。悲嘆にくれるベラーニ元大佐は妻に毒を盛り、自らはビニール袋を頭からかぶって壮絶な窒息死を遂げる。本当は優しく気のいい奥さん、心の優しい孝行息子、祖国を追われ異国の地で必死に家族を養うベラーニ、彼ら家族がなぜにこんな非道い目に会うのか?あまりに不条理だ。あまりに切なく、怒りさえ感じてしまう、・・・いい映画だ。(10/9wowow) http://www.dreamworks.com/houseofsandandfog/index_nofl.html