パンチ!リニア新幹線反対運動

自然保護協会「活断層の検討不十分」 リニア環境配慮書に07月10日(日

 リニア中央新幹線計画をめぐり、JR東海が公表した環境配慮書に対し、日本自然保護協会(東京)が9日までに、配慮書で示された箇所以外にも概略路線を横断する活断層が存在しているとし、「安全の検討が不十分」と指摘する意見書を提出した。

 原生自然が広く残る南アルプスに「トンネルを掘るべきでない」とあらためて主張。さらに、配慮書で南ア周辺の隆起量を100年間で20~40センチと説明しながら、「国内で突出した値でなく、トンネル設置の制約にならない」と記したことに対しては「間違い。他地域と比べて突出して高い」と反論した

 配慮書の公表は、改正環境影響評価法に盛り込まれた戦略的環境アセスメント(SEA)の中心手続き。義務化は約2年後の施行からだが、JR東海は改正法の趣旨に沿い準じた形で実施している。

 同アセスは、新幹線建設など大規模事業では計画立案段階から原則複数の路線を示して比較検討するとしており、同協会は意見書で「妥当性について広く意見を聞き合意形成を図ることに意味がある」と指摘。JR東海が概略路線を複数案示さなかったことなどから「先行事例としてふさわしくなく、検討し直すべきだ」とし、配慮書の在り方にも疑問を投げかけた。

 同社は7日まで意見募集を実施。寄せられた意見について「配意して今後の環境影響評価を実施していく」としている。概略路線案や駅位置案を公表していない長野県内に関連する意見は、公表時からあらためて募る予定。


http://www.shinmai.co.jp/news/20110710/KT110708ATI090023000.html