2014.11.1(Sat)10:00-16:00、@エイトピアおおの
おごめ~ん、大分のtakatch親方です(`・ω・´)ゞ
連日の更新、お騒がせしております。
どうしても紹介したい内容がまだ2つ残っておりますので、随時紹介いたします。
今日は1つご紹介いたします。
去る11月1日に開催された、「”大地”と”生き物”シンポジウム」。
2部構成のシンポジウム。1部はジオパーク(GP)、2部はエコパーク(EP)について。
弊ブログでは先日、1部:ジオパーク編をご紹介いたしました。
本日は、残りの後半(2部:生物多様性→EP)をご紹介いたします。
<シンポジウム日程>
【第1部(午前)-「ジオパーク」の可能性を考える-】※前回紹介分
↑詳細が上記リンク先にて
【第2部(午後)-”生物多様性”と”地域経済を考える”-】※今回紹介分
- (0)エコパークとは
- (1)基調講演:「生物多様性保全と地域経済の関わり(アメリカ・イエローストーン国立公園の事例)」
- (2)パネルディスカッション:「生物多様性と持続可能な地域づくり」
※以下、事務局メンバーによるまとめです。
あくまでも簡単にまとめている&主観が入る場合もございます。こちらで紹介している内容がすべてではございませんので、ご了承願います。
(0)エコパーク(EP)とは
今回の記事では、生物多様性に関する内容をご紹介いたします。
まず、「生物多様性」、「エコパーク(以下『EP』)」とは何ぞや??を説明いたします。
☆「生物多様性」
地球上で暮らす生き物が、それぞれの個性を大切にし、そして他の生き物(種)と共存(つながる)ことです。
☆「エコパーク(EP)」
生態系の保全(生物多様性)と人間との共生(持続的可能な利活用)の調和を目的としたものです。
「ジオ=大地(地面・足元)」なら、「エコ=生命・動植物(ジオの上で暮らしている存在)」のイメージです!
現在日本には7つのEPがございます!(九州→綾@宮崎)
※国際的な正式名称は、「生物圏保存地域(Biosphere Reserves)」。日本では、親しみを持ちやすいために、「エコパーク」という呼称が用いられるようです(By.文科省)
「エコパーク🌳🐶」動画集→https://youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwBOpXq9jKmfJsz-X3e05URl
(1)基調講演「生物多様性保全と地域経済の関わり~アメリカ・イエローストーン国立公園の事例から~」
・講師:スティーブ・ブラウン氏(イエローストーン・グレイシャー・アドベンチャー株式会社代表)
遠路遥々、なんとアメリカより講師をお招き講演!
スティーブ氏は、日本語流暢!「神楽」、「大野川」という言葉が、まさかスティーブ氏より発せられるとは…(笑)
講演1週間前に、予習として豊後大野市にいらっしゃったそうです。
そこで、神楽を大変気に入られたそうです☆(おそらく御嶽流夜神楽をご覧になられたのでしょう。)
今回、「生物多様性を大切にする→地域経済が活性化!」という命題を、イエローストーンでの事例をもとに、分りやすくご講演くださいました☆
【1.イエローストーン国立公園の概要】
- 世界初の国立公園
- 属しているモンタナ州…面積は日本全国に匹敵するほど広大!←→人口は100万人しかおらず。
[特徴]
1)「間欠泉&温泉」…熱水地1.3万ヶ所以上!(※管理は難しい&危険)
→管理例:73度の に管理人が入る(∵ゴミ拾い)→”将来の子どものために自然を残したい”という思い
2)「野生動物」も生息
→※人間にとっても大切な公園…子どもが大自然と触れ合える⇒人と自然との共生
【2.イエローストーン負の時代~失敗や間違いを犯した歴史~】
3つの野生動物の例を紹介。
[1.バイソン]
乱獲…8千万体いた→毛皮などのため乱獲→わずか25年で25頭 in イエローストーンしか残らず→現在:50万頭まで復活!
→
[2.オオカミ]
- 乱獲…これまた毛皮のため→イエローストーン内のオオカミが絶滅…。
- 風評被害…「オオカミは怖い」など、悪いイメージを持つ方が多い→But、そんなことはない!(∵オオカミによる事故…わずか21件程/114年で!)
⇒市民がオオカミ保護運動を提唱(元大統領のクリントン氏も活動に加わったほど) - オオカミの利益=1.32兆円/1年!!(∵オオカミ観察客…宿泊代・カメラなどの機材代など)
[3.熊]
- 人間とのふれあいの多い動物→事故も多い
- 1975年…赤ちゃん熊が4頭しかいないという絶滅寸前状態。。。⇒アメリカ全土で保護の機運↑(2013年現在:赤ちゃん熊100頭ほど)
[4.間違いをなおす時代~1960年代~]
以下の3つの出来事が、新しい技術・価値観を生み出した→自然保護の発想へ
- 「アポロ14号」
- 「テレビ」 →1&2…新技術により新しい価値観ができた
- 「ベトナム戦争」→自然保護に注目
[5.自然&動物保護で必要・大切なこと]
「教育」(普及)+「哲学」(”保護するためには…”といった一定の考え・概念)
【3.地域への経済効果@アメリカ】
※1ドル=100円換算
[1.自然関係経済(2011年度)]
- 雇用人数:940万人
- 総生産額:106兆円(アメリカGDPの10%!)
[2.野生動物観察経済(2011年度)]
- 参加人数:1億1,210万人(アメリカの人口の38%以上!)
- 雇用人数:610万人
- 総支出額:5.5兆円(内訳:道具関係=50%、旅行関係=31%、その他=19%)
- 総生産額:14.5兆円(アメリカGDPの1%)
[3.イエローストーン国立公園の経済効果(年度不明)]
- 年間予算:60億円
- 雇用人数:4,900人
- 来園人数:340万人
- 総生産額:334億円
[4.豊後大野市と人口規模が同じアメリカボーズマンの町での自然関係経済効果(2013年)]
- 経済効果:790億円(交通:183億円、食事146億円、お土産140億円)
- 雇用人数:9,000人弱
- 博物館:14.5万人来場=52.8億円の経済効果、地場産業売上=29.4億円、労働所得=19.3億円、733種類の雇用
[5.自然を守ると…]
- 地域の経済がよくなる
- 仕事の種類が増える
- 仕事の数+1,000人分程度(林業関係の仕事+21名分)
⇒「野生動物が大きな価値を生む!」「自然関係経済=非常に大きい&身近にある!」
[6.自然関係経済がないと…]
アメリカで、政治上の理由(予算執行できず→行政の停止)で国立公園が閉鎖となった際の経済ダメージ。※16日間、公園閉鎖を余儀なくされた
- 総生産額:△500億円(△76億円/日)
- 来園人数:△75万人
- 2万人もの職員が働けず。。。
[7.外来種問題~もう1つの経済ダメージ~]
- アメリカ国内の外来種生物関係諸費用:14.5兆円
- 死亡者数:4-7人/年
- 経済効果:△1.65兆円
[8.子どもへの教育・普及例]
シール・しおり・定規など、身近なグッズを活用した例。
▽水生外来種啓発のタトゥーシール。シールを体に貼ることで、他者に普及!
▽アメリカの山火事防止キャラクター「スモーキー・ベア」のしおり、定規
[8.豊後大野市への提言]
- 木の種類…@イエローストーン=12種のみ←→@豊後大野=230種類も!→「豊後大野は、イエローストーンよりも自然豊か!?」
- 原尻の滝を活用したアトラクション(詳細は割愛)
- もちろん、開発してはいけない(人が手を入れてはいけない・自然のまま保護すべき)自然もあることも忘れないで
(2)パネルディスカッション「生物多様性と持続可能な地域づくり~日本における生物多様性保全と地域経済の関わりを探る~」
アメリカでの生物多様性&地域経済の取り組み報告があったところで、「じゃあ日本でも可能なの??」。
日本での可能性について、コーディネーター&パネリストの6氏が語り合います!
🎤コーディネーター:杉浦 嘉雄 氏(日本文理大学工学部教授)
🎤パネリスト
- ステーブ・ブラウン 氏
- 広瀬 和弘 氏(南アルプス市ユネスコエコパーク推進室)
- 川野 智美 氏(九重ふるさと自然学校)
- 佐藤 陽平 氏(ひとねる代表:持続可能な地域づくり実践者)
- 梶原 浩 氏(大分県生活環境部総務企画監)
[豊後大野の素晴らしいところ(スティーブ氏)]
- 人の心が素晴らしい
- 神楽が美しい
- 山、川、田が素晴らしい→よいコンビネーションで贅沢な場所
→But,地元の人々がその素晴らしさを認識してる??(例:犬飼駅周辺の歴史ある家々は外国の方にとって魅力的)
[GP・EPとの関わり(広瀬氏)]
・当初南アルプスは世界遺産を目指していた
→世界遺産=地域が頑張っても、政府から認められないといけない
→But,「山岳景観は素晴らしいも、他の世界遺産にもよくある光景」、「学術研究が不十分」と評され認定されず
⇒地域の魅力を見直すきっかけになった。
・EP&GPの認定=あくまでもスタート!(資格があっても使わねばペーパードライバー)
→いかに地域資源を活かすか?
・1つの市町村で頑張るよりは、他地域と連携する可能性が今後大切!
→×「あの町は○○なら、うちは××で対抗」⇒○「一緒に頑張ろう!壁を越えよう!」
[大分県からの視点(梶原氏)]
・今年2月の国際ジオフォーラム@別府の場で、豊後大野市長がEPを目指す宣言したことに驚いた。
・県民意識調査より
→・「暮らしやすさを考える上で大切なこと」→1位:自然
・「期待する大分県の未来イメージ」→2位:自然 ⇒自然重視・期待の高まり
・レッドデータベース(希少生物の一覧表)
→希少植物の6割、動物の3割が大分県に生息⇒豊後大野の生物多様性ポテンシャルは高い?
[地域ブランド化の可能性・長野県での事例を通じて(佐藤氏)]
長野県泰阜村(やすおかむら)で、地域ブランドづくり活動事例を紹介。
・「足元でできることは?」→「地域住民が出来ることにしよう!」→「地域ブランドを作ろう!」
→住民みんなで「何かしよう!」と寄合で語り合った(飲みながらアイデアを出す)
→例1:インパクトあるロゴづくり…興味を集めやすい、PRができる!
例2:「やすおか地味(じあじ)」…地元の味をブランド化
⇒答えは「地域の人・自然」が持っている!
→豊後大野…「生物」要素が加われば、もっと付加価値↑
▽(左)例1:ロゴ、(右)例2:やすおか地味
[生き物との共生(川野氏)]
九重ふるさと自然学校の事例を紹介。
- 「田んぼビオトープ」…休耕田に水溜りを作る(田を水路でつなぐ)⇒生き物の逃げ道ができる
- 「湯苗」…・高地=温泉をひいて田づくり→あたたかい田→生物が棲みやすい
・田んぼの中干し…カエルが成長するまで時期を待つ(生き物に配慮) - 「ヒエ(雑草)との戦い」…無農薬の試行錯誤(例:深水管理、米ぬか散布…ぬかが田を多うことで日光をさえぎる=ヒエが生えない)
[国内外のブランド例紹介、豊後大野でのブランドアイデア(佐藤氏)]
・例1:「佐渡」…「トキ」をブランド化(トキと共生できる水田を市が認証)
→”一歩先でできることからスタート⇒持続可能に”(×いきなり遠くからトライ⇒無理)
・例2:「デンマーク」(幸せの国)
…まずは土(大地)を大切に→生き物誕生→人も元気に→生物を大切に→土を大切に
⇒1つずつプロセスを大切に
・豊後大野への提案例
…「ずっと豊後大野」→geo(土地があるよ)+bio(生き物もいるよ)+man(人も楽しいよ)
⇒拠点(道の駅など)が大切!
[観光・ツーリズム事業の展開について~南アルプス事例~(広瀬氏)]
・GP:ガイドで受入 ・EP:南アルプスガイドを活用
⇒人材(地元情報Get&紹介できる)が大切!
・ガイドにもお金を取り入れる仕組みづくりも必要
→ボランティアだけでは続かない、ガイドに責任感が生まれる
・子どもたちへ伝える&体験が大切→例:3,000m登山…きつい分、思い出になる=愛着へ
[外国人向け事業は豊後大野でできる?(スティーブ氏)]
・もちろんできます!自然と魅力に恵まれた豊後大野なのだから。
・「お金を生み出す仕組みづくり(=持続可能な仕組み)」が急務
→豊ジオ探検隊のような若い高校生が、いずれ地元に戻ってきたときに、EP活動や働き口が豊後大野に残っているように
→例:アメリカシアトル:癌薬開発…原材料は、なんと地元にあった何ら変哲もない木だった→みんな森林へ入り、現在も開発中
⇒地元の何気ないものが価値あるものだと気づく→お金を生み出す
・長期滞在する外国人をターゲットに
・周辺観光客2,500万人をいかに豊後大野へ呼び込むか(別府800万人、阿蘇1,700万人)
[普及活動、拠点作り(梶原氏)]
・普及…例:「生物多様性の本」を子どもたちに読ませる、CATVの活用(GP活動のように)⇒”生物多様性とは何か”を浸透させる。
・拠点…・ハード面:既存施設(道の駅など)を活用
・ソフト面:担い手…福祉法人・総合スポーツクラブなど、若手を大切に
…と、第2部は以上です。
(3)感想・学び
☆自然関係活動が、こんなにも地域経済活動に潤いをもたらすものだということに驚き!自然関係活動は、大ビジネスなんだね!
今回は、生物多様性を地域経済に関連させる講演内容だったこともあるでしょうが、予想のはるか上を行く地域経済活動の活性化が期待できると知り、純粋に驚きました。
生物多様性となると、むしろ地域経済活動が停滞するのではという考えも、わずかながらシンポ参加前にございました。
生物多様性の保全=維持管理にコストがかかる&開発が制限されるイメージがあったもので。
自然関係活動は、生物多様性に資するものであり、そして経済活性化の可能性があるということ(=新しい視野)を学びました。
☆地域をしっかり、さらに知ろう!→「豊後大野にはどんな生物がいるの?」、「何が地域ブランドになるのだろう??」
第1部同様、「地元を知る」ことが大切だと学習。
現在、祖母傾山系のEP登録を目指しておりますが、よく考えると、「祖母傾山系についてほとんど知らないなあ…、いや、行ったことすらあまりないなあ…」と。
また、「豊後大野にはどんな生物(植物・鳥類など)がいるのか、よく知らないなあ…」とも。
さらに、「豊後大野らしさ光る魅力(ブランド)って何だろう」とも。
知らないことはまだまだ至らない点があるなあと反省する反面、知らないことが多い=これからの楽しみもたくさんある!…と前向きに考えます☆
GP活動を通じ、ジオ面から見た豊後大野の新しい魅力や豆知識を学べましたし、地質学そのものについても興味を抱きはじめました。
今度はEP活動を通じ、エコ面から見る豊後大野の魅力に期待したいですし、生物学・経済学・文化学などさらに幅広い分野学習にチャレンジします!
青年団なないろベースメンバーで一緒に、豊後大野市について学んだり、地域ブランドについて語ったりしたいです♪
☆市外・県外・国外の有識者が一堂に会したのは尊い機会
大分県庁、九重町、山梨南アルプス、そしてアメリカと、あらゆる地域から、あらゆる分野の有識者がこうして豊後大野に集まったことは、今考えると素晴らしい機会だったなと。
このことから、豊後大野市がそれだけ注目・期待されているのではとも感じました。
自然、まちづくり、地域経済、GP、EPなど、多くの分野のお話を伺えたのは参考になりました☆
学んだことを参考に、これから実際に行動に移すのは、私たち地元住民です。
豊後大野の地域づくり、頑張ります!
…長々と失礼いたしましたm(__)m
最後まで読んでくださりありがとうございました☆
少しでもご参考になれば幸いです。
今回、豊後大野&地域づくりに関するシンポということでご紹介いたしました。
以上、”大地”と”生きもの”シンポジウム第2部の模様でした☆
Cf:📝11月13日 歴代のブログ記事&動画集はこちら→https://ameblo.jp/takatch/entry-12637801160.html
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