拙著『ハルキとハルヒ』出版記念 大阪大学特別講義のご報告 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

拙著『ハルキとハルヒ』出版記念 大阪大学特別講義のご報告

拙著『ハルキとハルヒ』出版記念 大阪大学特別講義のご報告
このたび、拙著『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』出版をきっかけとして、大阪大学にて特別講義をやらせていただく運びとなり、今日の朝一番からの講義をやってきました。

(講義概要)
大阪大学特別講演
日時:2012年6月21日(木)08:50-10:20
場所:大阪大学豊中キャンパス
講師:土居豊先生(作家/講師・文芸レクチャラー)
講演題目:「ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する」
概要:
涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズと、村上春樹作品との意外な関連を読み解く。世界的に大ヒットした両者を並べて論じた例はいまだない。今の日本、そして世界で求められる物語とはなにか、その秘密を探り出す試み。
1.ハルキとハルヒ?~村上春樹の小説とラノベ『涼宮ハルヒ』の共通点
2.ジャパニメーションは関西生まれ?~アニメと文学と阪神間
3.ハルキとハルヒ~二人の故郷喪失者

※キャンパス風景
作家・文芸レクチャラー土居豊ブログ「震災後の文学・芸術」

一時限目で、しかもあいにくの雨でしたが、学生さんが大勢集まってくれて、楽しい講義となりました。
一回生を中心の講義なのですが、さすが阪大生、質疑応答にも、アンケートの感想にも、鋭い視点がうかがえて、とても感心しました。
意外だったのは、若者に人気の『涼宮ハルヒ』シリーズのはずが、あまり観たことのない学生さんが多かったことです。映画『涼宮ハルヒの消失』が上映されてから数年、昨年は最新刊『涼宮ハルヒの驚愕』が出たとはいえ、やはり、ライトノベルとしても、アニメ作品としても、やや古いものになりつつあるのかもしれません。
また、もう一つ、村上春樹についても、意外なことに、名前は知っていても、実際に読んだことがある学生さんはあまり多くない、ということにも驚きました。
『1Q84』を読んだけれどよくわからなかった、という声や、『ノルウェイの森』は何が面白いのかわからなかった、という感想もあり、今の大学生の中で、村上春樹が必ずしも読まれているわけではない、という側面に気づかされたのは、研究者として、貴重な知見でした。
もっとも、たまたま、そういう学生さんが集まっただけかもしれません。
ともあれ、『涼宮ハルヒ』にしても、村上春樹にしても、なぜ海外にまで愛好者が多くいるのかその理由を知りたい、と思っている学生さんは何人かいましたので、ぜひ拙著を読んで、少しでもヒントとなれば幸いです。

ところで、講義の後、学食で早めのお昼を食べましたが、さすがは?阪大、話題のタニタの社員食堂のレシピを導入しているとのことでした。あいにく、狙っていたタニタの社員定食は売り切れでしたが、おいしく、しかもヘルシーなランチを堪能して、とても満足しました。

※学食風景
作家・文芸レクチャラー土居豊ブログ「震災後の文学・芸術」
作家・文芸レクチャラー土居豊ブログ「震災後の文学・芸術」

※拙著告知
土居豊 著『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』(大学教育出版ASシリーズ第5巻)

http://www.amazon.co.jp/dp/4864291276/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1334231386&sr=1-1

価格: ¥ 2,100(税込み)
内容紹介:
『涼宮ハルヒ』シリーズと村上春樹作品との意外な関連を読み解く。どちらも現代日本人が求めてやまない魅力的な物語を描き、世界的に大ヒットした、両者を並べて論じた初めての一冊。

本書は、産経新聞と、神戸新聞、夕刊フジでも記事に取り上げていただいています。

※「ハルキとハルヒ」を出版 作家・土居豊さん(神戸新聞2012年6月14日)
http://www.imamoe.jp/?p=2849

※「ハルキとハルヒ」出版 阪神ゆかりの2作家を評論(産経2012.5.10 )
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120510/hyg12051002020003-n1.htm

※夕刊フジに拙著『ハルキとハルヒ』が紹介されました!

http://ameblo.jp/takashihara/entry-11281782583.html

オビ文を書いてくださった映画監督・大森一樹氏からも、高い評価をいただきました。
また、献本差し上げた筒井康隆氏からは、『涼宮ハルヒ』についての貴重なコメントを含む返信を頂戴し、お褒めの言葉をいただきました。
ぜひ、お手にとってくださいますよう、お願いいたします!
なお、本書は、元々大学のテキストとして出版されたものです。
大学でサブカル研究をされている先生方、ぜひ講義やゼミのテキストとしてお使いくださいましたら光栄です。