エリック・ショプラー教授が原作者です。
PEPからPEP-Rへ,
そして現在は改訂されてPEP‐3です。
多くの非言語性の検査項目,
重篤な障害を持つ子どもにとっても
魅力的に見える教材,
言語課題は他の領域と分けられている・・・
などの工夫がされ,
実質的にすべての自閉症スペクトラムの子どもたちを
検査可能にしています。
ほかの検査では実施が難しかった生徒も
これならば楽しくできるかもしれません。
この検査は「芽生え反応評点」という
従来の検査にはなかった評価方法をもっています。
この「芽生え反応評点」は,
それぞれの子どもの強みと弱みを
はっきりさせたうえで,
子どもの中に,今,伸び始めている
課題や領域を示してくれます。
これが適切な個別教育計画を
仕上げるためにとても役に立ちます。
検査は<領域別検査>と,
<養育者レポート>の二本立てで行います。
<領域別検査>では,10つの下位検査から
6つの発達能力(認知/前言語・表出言語・理解言語・
微細運動・粗大運動・視覚ー運動模倣)の測定と,
4つの特異行動(感情表出・対人的相互性・
運動面の特徴・言語面の特徴)の検査から,
最終的に3つの合計得点を出します
(コミュニケーション・運動・特異行動)。
<養育者レポート>は,
両親へのアンケートのような形式になっています。
PEP-3を受けますと,
従来の検査では「検査不能」という問題に
直面していた子どもたちからも
多くの有益な情報を提供されます。
この検査の目的は,
子どもがすでに確立したスキルと,
まだ何もわからないことを
見分けることにあります。
そしてある課題をやろうとしたときに,
間違ってやってしまったり
途中でやめてしまったりという
不完全な取り組みが
何であるかわかります。
ここが「めばえ反応」(emerging skill)です。
これが明らかになることで,
子どもにどんなことを
教えていったらいいのかを
知ることができますし,
実際に子どもたちの遅々とした学習を
促進させることにもつなげることができます。