スキー用語95「硫安」「塩カル」 | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

「硫安」とは
硫酸アンモニウム の略です
農協などで売っている 化学肥料の一つで
畑に窒素を与え、葉物の成長に効果があります

これが水に溶ける時 周囲の熱を奪う為
雪に撒くと雪の温度が下がり、固まらせる
事が出来ます


昔は同じ性質を持つ 塩 を使っていましたが
土壌に塩分が多いと
植物が枯れる塩害が起きるので
今では硫安が使われています



小学校の時など
硬い雪玉を作る時 塩を掛けましたが
あれですね




別名 スノーセメント シオ




素手で触ると水分を取られて
手がガビガビになるので
必ずゴム手やグローブをしましよう


雪を固くさせ、長持ちさせる為と
滑走性を良くする為 大会や春先などに
良く撒かれます


これが撒かれた状態が「硫安雪」で
33の13.を参照下さい



硫安を撒く作業を「シオ撒き」と言います

コツは強く握らず フワッと掬うようにして持ち、
広い範囲なら腰を入れて大きく
狭い範囲なら肘から先で
スナップを効かせて撒くようにします

ストックを背中に挿し、
屈んで袋を大腿骨で支えるようにすると
手が疲れません

背中に担ぐ 肥料散布機があれば
更に楽ですが、詰め替える手間があります



数え方は1袋(たい)、2袋と呼びます
大抵1袋が20㎏入りで1800円前後です


ミスって滑らせるとえらい事になるので
運搬には注意が必要です


硫安を置いておく所を 硫安置き場
置き場 ヤマ と言います




これが板に付いて放置すると
速攻でエッジが錆びるので
春スキーでは終わった後
板を水で洗う作業が必要です
また、ウェアに付くと白化します

白い穴の空いた粒の形をしていて
味は苦しょっぱく これも肌に付いて放置すると
痒くなるので すぐに洗い流しましょう






「塩カル」とは
塩化カルシウム の略です
化学物質の一つで、
これが水に溶ける時 周囲に熱を与えるので
雪に撒くと雪の温度が上がり、
雪を溶かす事が出来ます

別名 融雪剤 凍結防止剤 塩カリ


塩カルは言いにくいので
訛って 塩カリ とも呼びますが
それだと塩化カリウムの略になるので
厳密には間違いです
カリウムは青酸カリのカリですね
「雪を溶かす遠軽」と覚えると良いでしょう


スキー場で見るのは駐車場くらいですが
道路では盛んに撒かれています

昔はトラックの荷台から人が
撒いていましたが
今では専用の車両があります
渋滞でお馴染みですね


肌や金属に悪いのは硫安と同じで、
必ずゴム手をして扱いましょう
また、環境的に塩害の恐れがあります



値段も硫安と同じくらいです



化学も勉強になるスキー
理系進学を考えている
お子様に如何でしょうか^_−☆




次回は96「降ってくる雪」です

スキー指導員 高波太一