スキー用語33-3「雪質」続きの続き | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ


11.クラスト
春に近づいて晴天日が出てくると
非圧雪エリアはクラストと言う状態に
なる事が多くなってきます
出来方により幾つかの種類があります

※クラストとは 固い外皮 を意味する英語

a.サンクラスト(日モナカ)
日中 熱射により表面が解け、
午後になり日が陰って
再凍結してできるクラスト

b.ウインドクラスト(風モナカ)
尾根筋の風下側など風が巻き込むところで
風圧で押し付けられてできるクラスト

c.レインクラスト(雨モナカ)
雨が降った翌日 また寒気が来て気温が下がると
再凍結してできるクラスト 厚いとアイスバーン


原因は様々ですが モナカ雪 と形容される様に
外はカリカリ 中はフワフワの状態を
総称してクラストと呼びます


滑り方は 

①クラストが薄い時
まず持ち上げ式の山開きシュテムを行ない 
着地の際に圧を加えてクラストを割ります
この時 内部の雪が柔らかければ
センター加重をキープして
あまり潜らない様にし、
内部の雪が締まっていれば
しっかりと外足加重して
雪に足を取られないようにします

その後 腰を入れた順ひねりによって
クラストを割りながら進みます
更にこの時 足首の回旋を掛け続け
迎え角を作り制動を掛けながら行くと
ゆっくりと向きを変える事が出来ます



②クラストが厚い時
まず持ち上げ式の山開きシュテムを行う
所までは一緒ですが
着地の際 圧を加えすぎず 
クラストを割らないようにします

そのままセンター加重をキープして
なるたけクラストの上を進みます
足首の捻りも加えて
制動を掛けながら向きを変えましょう




なかなか難しい雪質ですが
とても練習になるので たまに突入してみてはいかがでしょうか(^_-)-☆


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12.ザラメ
春先アイスバーンが出来た後に気温が上がり、
氷の層が細かく砕けて 
海岸の砂のようになった状態を言います
砂糖のザラメ糖に似ている所から
呼ばれています
湿雪よりは滑りやすいです

ICSアイスクラッシュシステムと言う 
カキ氷機の親玉のような機械で作った
人工雪もこれに似ています

滑り方は
内面に圧を加えすぎると潜ってしまうので
表面を撫でるように滑り、
かつ滑走性が悪いので
板を前方に押し出すような
動きを加えます

別名 ザラザラ ザクザク ザブザブ シャバシャバ



13.硫安雪
春には融雪が進み、平らで湿雪だと
止まってしまうほどになります
そこで硫安と言う薬剤を用いて
雪を固める必要があるのです

硫安については95にて後述します

滑り方はアイスバーンに近い感じです


14.腐り雪
春先、湿雪の融雪が進み、
水やザラメやシャーベットが
混じったような状態になった雪です
雨が降ると意外と滑りやすくなり、
滑り方は湿雪とほぼ同じです
別名 グサグサ  腐れ雪



15.黄砂雪
春の季節風で飛ばされてきた
黄砂が混じった雪の事です
とても滑走性が悪く、
緩斜面に至っては板が止まってしまいます
滑り方は湿雪とほぼ同じで、
もっと力を強くして滑ります


長くなりましたが 
身体的な技術を磨くと共に
状況により適切に選択する と言う判断力も
合わせて身につけられれば
憂いなし ですね(^o^)





次回は34「意識」「無意識」「自然に」です
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