ここ最近、教師の不祥事ニュースが流れるのを目にする事も珍しくは無くなってきた。

その度に思い出すことがある、自分が通っていた高校のS教師だ。

そのS教師は体育科の先生でもあり生徒指導の顧問もしていた。

廊下ですれ違うたびに「シャツが出とるやないか、後で生徒指導来い、減点や。」など

「眉毛細いやないか後で生徒指導来い、減点や。」などとかく校則に厳しい先生だった。

自分の通っていた高校は校則が厳しく、一カ月毎で頭髪服装検査があった。

茶髪、パーマは勿論禁止で、もみあげはテクノに剃る、耳に掛かってはいけない、制服(ブレザー)のシャツは常に入れる、えりあしはシャツの襟にかかってはいけない。

サンダルの登校禁止⇚アタリマエカ

原点方式になっており点数が溜まると反省文や謹慎扱いになってしまう。

当時部活に入っていた自分は反省文、謹慎などになると監督、コーチにこっぴどく叱られ、竹刀ではない普通の硬い竹の棒で頭を殴られるお仕置きが待っていた。とにかく痛かった。

自分の所属する部活は過去全国大会10回出場していて公立高校なのに専用バス、トレーニングルーム、特別に部室が学年毎に一部屋用意されている私立高校並みの環境があった。大会前には単独で全校生徒から壮行会が開かれる位だった。

当時の自分は大人に憧れてたのもあり、厳しい校則の中で皆と同じが嫌でしかたなかった。

いかに自分のブランディングをしていくか?高校生っぽいくだらない事を考えていた。

勿論、部活は真面目に活動していた。たまに顔出すOBが怖いので。


結果、眉毛を細くする、シャツを出す様な子供な反抗をする度に怒られていた記憶がある。

S先生の話に戻そう。

3年時、全国大会県予選がスタートした。ゲン担ぎもあり、あごひげを伸ばしていた。勿論校則では髭を伸ばしても良い など記載されていない。減点対象である。


廊下でS先生とすれ違い案の定「なんやそのあごひげ。減点。生徒指導来い」と言われた。

そこで、自分は「ちょっと待ってや。先生、これ県予選のゲン担ぎやで大会終わるまで勘弁してや」

S先生は「何言うとんや。あかん。」

自分「今年最後やでさ、S先生を全国大会の応援連れったりたいよってさ。お願いします。」

数秒間無言になり

S先生「負けたら剃れよ。剃らんだら謹慎や。」

自分「分かりました。」

なんと、校則違反なのに、今まで見逃してもらった事がないのに初めて見逃してもらったのだ。

結果、県予選は準決勝敗退、3位で自分のアスリート高校生活は幕を閉じ。その日に綺麗にヒゲを剃り。

翌朝、S先生に「よろしい」といわれ、「3年間よう頑張ったな、お疲れさん」と言われた。なんかスッキリした自分がいた。

正しい事が全てではない、その時の相手の心境、場の状況によって答えは正しい事が答えでは無くなる。

あの時のS先生が取った行動は違う角度から見たら全く間違っているかもしれない。

けど少なからず自分が社会人になり、いつしか部下ができ指導する立場になり、相手の気持ちへの理解力が深まった時にあの時の事が頭をよぎる。

指導者としての資質とは?

常に自問自答する事が大事なのかな?まだ答えはみつかっていない、おそらくこの先もみつからない

いや、みつけてはいけないものなのだろう。