いよいよ「住宅診断=ホームインスペクションが本格始動」の注意点 | エスクローおじさんのブログ

いよいよ「住宅診断=ホームインスペクションが本格始動」の注意点

住宅を購入するときに住宅診断=ホームインスペクションをしましょうというのは、国が来年の通常国会に提出する予定の宅地建物取引業法改正案にも含まれることになっており、特に中古住宅では常識になりそうです。


国土交通省の勉強会で、私が4年前から主張してきたことがようやく実現します。


今まで難色を示していた不動産業界団体も、法改正に備えてホームインスペクション業者との提携を検討し始めましたし、一部団体はすでに発表しています。


これからホームインスペクションが日本でもスタンダードになるわけですが、手放しで喜ぶわけにはいきません。


何故なら、そもそもホームインスペクションを仕事としてやっている人がいないわけで、10万戸を超える中古住宅の売買でインスペクションをすることは不可能なのです。(もちろんすべての売買に利用しなければいけないという法律にはなりませんが)


そこで建築士さんや不動産業者さん向けに講習会が開催されて、ホームインスペクターを育成しようという動きも顕著になってきました。


しかし、短期間の講習を受講すればホームインスペクションができるかというと、それは難しい。


弊社では先日国の支援を受けてホームインスペクション実地研修会を開催しましたが、参加者のほとんどが「見ると聞くとは大違い。資格を取ったけれども、すぐに実務はできない。」とインスペクション実務が想像と異なっていたと答えています。


ホームインスペクションが広く普及するのは良いことですが、いよいよ時代はインスペクションの品質の時代になって来たということを、住宅の買主さんは十分理解しておかないといけないとい思います。


でなければ、せっかくインスペクションをして購入した住宅なのに、期待した品質でなかったということになりかねません。


またインスペクションの中立性も確認しなければなりません。


これだけ普及が見込まれる分野になると、商業主義で参入してくる人たちも多いと考えられます。(どの分野でもそうですが)


そのインスペクターのスポンサーは誰なのか?よくよく見極めて依頼することが必要になると思います。