下流老人・老後破産をどう解決するのか? | エスクローおじさんのブログ

下流老人・老後破産をどう解決するのか?

先日BSフジで『下流老人その実態・・・老後崩壊、打開の道』という番組をやっていました。


ここで取り上げられるまでもなく「下流老人」は大きな問題となっています。下流老人と言われている人について、現役時代中小零細企業に勤めていた人や特別浪費癖のある人などを想定する人が多いと思いますが、さにあらず。


大企業に勤務した後に定年退職し、その後も勤務中と同様の消費生活を続けて支出していた人が、貯蓄が底を尽いて生活保護を求めるという人が多いのです。


実際、生活保護者は約217万人ですが、このうち49%が「高齢者」であって「母子家庭」とか「傷病家庭」は少数派なのです。


番組では「努力していない人がこうなる。現役時代から努力するべし。」という論調がありましたが、果たしてそうでしょうか?


長寿命化したことで生活費まで困窮する社会を、誰が予想したでしょう?


そうした高齢者を「下流老人」と定義づける社会こそが問題視されるべきではないでしょうか?


そもそも収入がないとか貯蓄がない人を下流とすることに問題がないでしょうか?収入があったり貯蓄がある人でも「下流」の人は居るでしょうし、貯蓄がなくても「上流」の人も居るでしょう。


FPは対策として現役時代から貯蓄や投資に励むことを推奨していますが、本当にそれで「下流老人」がなくなると思っているのでしょうか?


そうした考え方はむしろ「下流老人」を助長するのではないでしょうか?


物事を金銭で計ることがすべてだと考える社会こそが、この問題の根源ではないかと考えます。


共同して下流老人社会を無くすこと。これが解決の早道だと思いますが、いかがなものでしょう?