「日本の住宅は25年で価値がゼロ」は文化の問題? | エスクローおじさんのブログ

「日本の住宅は25年で価値がゼロ」は文化の問題?

日本の木造住宅の寿命は28年程度で、22年を超えると不動産流通上の価値はゼロと言われています。


これを「日本は高温多湿な気候で、地震や台風などの天災も多い。そんなところで木造住宅を建てれば寿命が短いのは仕方がない。日本の伝統なんだよ。」という人がいます。


果たしてそうでしょうか?


先日、不動産流通近代化センターの中古住宅流通の勉強会に出席したとき、沖縄の建築士さんの話を聞きましたが、大変興味深い話だったのでご披露します。


沖縄の住宅は、厳しい自然環境のためにほとんどが鉄筋コンクリート造です。理論上は70年くらい利用できるはずなのに、木造住宅を同様に28年程度で建て替えられているのが実情だそうです。


しかし、基地の中にあるアメリカ人の住宅は、築50年くらいのものをいまだにリフォームして使っている。それがまたおしゃれなんだそうです。


この事実から判断しても、気候風土によって28年で建て替えているわけではないことがわかります。


これはあくまで価値観の問題なのです。しかも伝統的な価値観ではなく、戦後70年程度に植え付けられた価値観なのです。


新築住宅を建て替えて消費することで経済成長の手段としてきたこと。これが戦後の価値観なのです。


これによって日本の人々は、住宅に多大な投資をして来たにもかかわらず、豊かな生活を送ることができない。


もうそろそろ「住宅を28年で建て替える」ことは、ねつ造された神話だったのだと気付かないといけません。