保険業法改正は、国民・FPのためになるか? | エスクローおじさんのブログ

保険業法改正は、国民・FPのためになるか?

保険業法改正が公布されて3か月になろうとしています。


今回の改正は、保険代理店と言われる業態で保険募集人をしている人に対する保険会社の管理監督責任を強化したことが一番重要だと思います。


保険会社に所属する人と異なり、代理店に勤務する募集人は個人事業主として独立独歩の傾向があります。


この人たちの契約時の説明責任が不足しており、契約後のトラブルが多いという問題があったようです。ここにメスを入れて、管理監督を徹底することが要求されることなったということです。


ここまでは納得しましょう。


それに加え、顧客情報の流用、例えば顧客リストを有料で買い取ったりする行為を規制することも徹底されるようです。


これも納得。


しかし、FP(ファイナンシャル・プランナー)の立場から見ると・・・


FPは顧客の家計を総合的に診断し、適切なファイナンシャルプランを提供するのが仕事です。


しかし、今回の改正では、保険の相談に来たお客様に金融商品を提案したり、税務相談に持ち込んだり、土地活用を提案するとなると、顧客情報の流用になってしまいます。


もちろん相談にきた会社が、証券仲介業や税理士免許や不動産免許を、すべて持っていれば問題ありませんが、現在の日本では、そのような企業体は作ることができません。


そうなるとお客様は、保険の相談はどこかの保険会社に、税金の相談はどこかの税理士事務所に、不動産の相談はどこかの不動産会社に個別に相談しなければならないことになります。


これでは総合的なファイナンスシャルプランはできません。


おそらくFP事務所としては、いちいち相談者の了解を書面で得て、各社に紹介することになると思いますが、ワンストップで相談ができるのがFP事務所の良いところなのに、この長所が消されてしまいますね。


今回の改正は、いわゆる「日本社」の復活という意味合いが強いように感じられますが、国民の利益を考慮すれば、もう少し別の選択肢があったように思います。


まぁ、保険を取り扱うFPの評判の悪さは、今週号の東洋経済でも取り上げられていますので、大きな声で反論はできないのですが・・・


保険素人の私が書いているので、細部で正確性を欠きましたらご容赦を。