ユーロ加盟国 金利接近の理由 | 日経ほぼ朝コメント

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日経ヴェリタス 6月1日号 13面

『ユーロ加盟国 金利接近の理由

ドイツ銀行 シニア・アドバイザー

トーマス・マイヤー氏』


欧州経済通貨同盟(EMU)が崩壊し、

ギリシャとドイツの10年物国債の

利回り格差が30%に拡大するとの

懸念が広がったのは

わずか2年前のことだ。


だが、その後に欧州は信頼を

取り戻し、利回り格差も縮小した。

今年4月にはギリシャとドイツの

10年債の利回り格差が4.3%

まで縮まった。


当局はその理由として、

危機に陥った国の経済が

より柔軟になり、財政の再建が

進んだことを挙げる。


本当だろうか。

危機国の国内総生産(GDP)

に対する公的債務の比率は

上昇を続け、ギリシャでは

この水準が今年177%に達すると

予想されている。


財政再建や構造改革では

前進があったが、市場は

債務の膨張を無視しているように

見える。

その一因に欧州中央銀行(ECB)が

債務から生じる危険を和らげている

ことがある。


ECBの使命は物価の安定

ただ1つのはずだった。

ECBも欧州連合(EU)も

財政危機に陥った仲間の国を

支援することは明確に禁じられている。


過剰債務を抱え込んだ国や企業は

自力で再建できなければ破綻する

はずなのである。

実際、かつては多額の債務を抱えた

欧州の一部の国の金融危機が

EMUの分裂を招くのではないか

との懸念もあった。


だが2012年の夏にこの心配は

消えうせた。吹き飛ばしたのは

「ユーロ防衛のためなら

なんでもする」と断言した

ドラギECB総裁のひと言だ。


この発言を受けて変わったのは、

EMU加盟国の債務の性格だ。


以前は外貨建てだった

加盟国の債務が、

国内通貨建ての債務扱いに

なったのである。


EMU加盟国が危機に陥った

場合には、最後の貸し手として

自国の中央銀行に頼ることが

できる国と、もはや変わりが

なくなったのだ。


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まさに2年前からは様変わり

という感じですが、

その分、金融緩和をしても

通貨高が繰り返されるという

以前の日本の状況に

似てくるかもしれません。