おはようございます。
4日(月) 日経4面 核心
『通貨 動いて40年
円はデフレを脱せるか』
円が、値決めを市場にゆだねる
「変動相場制」に移ったのは
40年前、1973年のバレンタインデーだ。
人なら「不惑」。
相場が大きく振れがちな円は、
惑いを吹っ切れるだろうか。
通貨が動く。
今は当たり前だが、戦後四半世紀ほどは
固定相場制だった。
戦後の国際通貨制度を決めた
会議の開催地、米ニューハンプシャー州の
保養地にちなみ「ブレトンウッズ体制」と
呼ばれた仕組みは、
1オンス=35ドルの公定価格で
金に裏打ちされた米ドルに、
各国通貨が、例えば円なら1ドル=360円と
決まった値(平価)で
くぎ付け(ペッグ)されていた。
欧州や日本が力をつけ
米国の国際収支赤字が積み上がると、
ニクソン大統領は71年8月、
ドルと金の交換を一方的に停止した。
その年の暮れ、円は17%弱切り上げ
308円に。
しかし、市場はおさまらず、
主要通貨はみな変動制になった。
市場にまかせても
国際収支の不均衡は縮まるどころかむしろ広がり、
国境を越えるマネー(国際流動性)が膨らんだ。
過ぎた円高はデフレ要因になる。
デフレは円の価値を高め円高を促す。
ニワトリと卵、どちらが先か。
岩田一政日本経済研究センター理事長は、
95年に1ドル=80円割れまで行った
「バブル崩壊後の異例の円高」が
最初のニワトリと見る。
「企業は国際競争力を維持できず、
すべてのコストを削るしかない。
97年から名目賃金も下がるようになった。
当然デフレになる」
「円高・デフレ脱出には
大胆な金融緩和のようなショックが要る。
財政も拡大するので内需が増え、
近隣窮乏化批判は当たらない」
とアベノミクスの肩を持つ岩田氏はまた、
主要通貨間で大きな変動を避ける
ルールづくりも提唱する。
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変動相場制に移行してまだ40年。
改めて知ると、不思議な感じがします。
固定相場に戻るのは当面不可能でしょうが、
大きな変動を避けるルール作りというのも
逆にそのルールが投機筋の標的にされそうで
難しい面があるのではないでしょうか。