呉智英先生講演ー文化資源とは何か
今日は清須市在住、評論家の呉智英先生の講演会。
お題は「文化資源とは何か-地方の活性化を目指して」
大村知事が代表を務める地方行財政調査会東海懇談会の主催です。
先生の話の要点
Ⅰ、文化事業とは
①思想史的文化史的に高度な文化事業・・・住民にあまり喜ばれない
(例)市史編纂など
②大衆的な文化事業・・・・住民が喜ぶ。
(例)図書館、美術ホール、町民運動会など
文化事業を二つに分け、どちらも大切。二つを融合させるといい。
Ⅱ、愛知県、名古屋は文化発信力が弱い。明治以来150年の病理。
産業の豊かな町。裕福で自給自足できるので外部に目を向けない。
閉鎖的。おもしろくない街。しかし 東京と京都の中間にあり立地はベスト
再発見されてない文化資源がまだ埋もれている。例えば近代文学の祖二葉亭四迷
坪内逍遥が出身。日本語4大文法のうちひとつの基礎を築いた「鈴木あきら」(清須市西枇杷島町出身)
アニメで言えば我らが鳥山明等々 ここらは先生の著書「真実の名古屋論」に詳しい。
Ⅲ、自治体に求められる見識
昨今文化事業プロモーター、悪く言えばブローカーが跋扈し 自治体が食い物にされている。
プロモーターはパッケージ化された企画を提案する。全国で全く同じ企画を複数の自治体に
売り歩いている例がある。利権・お金の理論で文化が切り売りされていると批判。
清須市の「大河ドラマ事件」の例を挙げられ 自治体はプロモーターの
甘い見栄えのいい言葉に乗せられ安易に飛びつかないように注意喚起。
ようするに自らの文化資源を真剣に検証し、偽物を見極め、本物を追及すれば
ひっかかることは無い。自治体はそういった本物の見識を養うことが必要。
専門家をもっと活用すべし。
鋭い批判精神、時折垣間見える地域愛、先生の熱い弁舌に
県内首長さん方は聞き入っておりました。
清須の宝 呉智英先生ありがとうございました!