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『混迷の日本①』三橋貴明 AJER2015.1.20(7)
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http://rensakaki.jp/release/korekiyo.html
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講演で全国を回り、経済の正しい知見・知識についてお話ししているのですが、三回に一度くらい、
「それでもやっぱり国の借金で破綻するのでは?」
という質問を受けます。
講演の際に質問されるというよりは、懇親会の席が多いのですが、わたくしが、繰り返し、繰り返し、
「財政破綻(政府の債務不履行)をするためには、三つの条件を満たさなければなりません。金利が高騰していること、政府の借金の債権者の多くが外国人投資家であること、政府の借金が自国通貨建てでは【ない】ことです。
日本の国債金利は世界最低水準で、債権者の95%が日本国民、さらに国債の100%が日本円建てである以上、財政破綻などしたくてもできません。何しろ、日本銀行が日本円を発行して国債を買い取ると、政府の実質的な借金が無くなってしまうのですよ。」
と、説明しても、懸命に、
「日本が財政破綻する道」
を探そうとするのです。
この手の病状を、わたくしは「クニノシャッキンガーシンドローム」もしくは「財政破綻シンドローム」と呼んでいます。
どれだけデータに基づき「正しい知識」をインプットしても、症状が重い方は必死になって「破綻するロジック」を考え付こうと努力するわけです。不毛な努力としか言いようがありませんが、本当にそういう方が多いのです。
なぜ、この手の「財政破綻シンドローム」が流行するのか? もちろん、財務省配下にあるマスコミが間違った情報を、あるいは「煽りの情報」を流すためです。
『長期金利が急上昇 国債入札不調に反応
http://www.asahi.com/articles/ASH234VQ3H23ULFA00L.html
3日の東京債券市場は、長期金利の指標となる満期10年の国債の流通利回りが一時、前日終値より0・080%幅高い年0・365%まで急上昇した。昨年12月18日以来の水準だ。財務省が3日実施した国債入札で応札が少なく、市場でも不安心理から国債を手放す投資家が多かったためだ。
住宅ローン金利などの基準となる長期金利は、1月20日に初めて0・2%を割り込んだが、その後は上下を繰り返す。欧州中央銀行(ECB)が、デフレを防ぐため同月22日に量的緩和政策の導入を公表後、「市場の不安定さが増している」(大手証券)ためだ。(後略)』
長期金利が、0.08%上がったことを受け、
「長期金利が急上昇!」
という見出しで記事を書き、「市場の不安定さが増している」といった抽象的なコメントを載せ、国民の不安をかきたてる。
この手の記事が繰り返されることで、国民は長期金利がわずかに上がっただけで、
「このまま金利が上がり続け、破綻する」
と、勝手に思い込み始め、最後は「確信」として「日本は財政破綻する」と信じ込む。すると、「正しい情報」が与えられていても、何しろそれまでの自分の思考を全否定することになってしまい、
「何でそんな自分を否定させるようなことを言うんだ! いや、違う。日本は財政破綻すると言ったら、するの!」
と、逆恨み的な思いに至る。
これが、財政破綻シンドロームです。
何しろ、新聞が上記の有様ですら、財政破綻シンドロームを治療するためには、様々な媒体で正しい知識を何度も、何度も注入し、患者が、
「いや、実は自分ははじめから、日本が破綻するなんて思っていなかったんだよ。うん。そうだよ」
と、一種の開き直り的な自己肯定を抱く「手助け」をしてあげなければならないわけです。
面倒この上ないですが、とりあえず、他に方法がありません。
ところで、財政破綻シンドロームにかかった方が、
「中央銀行が国債を買い取ると、政府の負債が実質的に消える」
ことを何とか納得すると、次は「はいぱ~いんふれ~しょんが~」と必ず言い出します。でも、心配ありません。「はいぱ~いんふれ~しょんが~」と言い出した時点で、治療は最終局面に向かっているのです。あと少しで、完治です。
というわけで、明日は「はいぱ~いんふれ~しょんが~」について。
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