三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

『いわゆる従軍慰安婦問題と、いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.8.12(12) http://youtu.be/GpEpCei8vsI

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2014年9月13日(土) 大念寺本堂 三橋貴明講演会

 テーマ「増税による「国民経済の崖」を乗り越えるには、どうしたらいいのか?」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_47.html#Koen

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 チャンネル桜「桜プロジェクト」に出演致しました。


【水島総】久しぶりの尖閣の海、その現状[桜H26/8/13]
http://youtu.be/kEbJwXj1B_0
【苛斂誅求】消費増税、想定していたのは国民の貧困化だったのか?[桜H26/8/13]
http://youtu.be/-uNtCrhQ6mI
【明るい経済教室】不況型「在庫変動」の粉飾効果[桜H26/8/13]
http://youtu.be/oSJv9CvBTKw
【主客転倒】法人税減税のために研究開発投資を増税?[桜H26/8/13]
http://youtu.be/yf94qGlNmUs


 明日はTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。

http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 さて、14年4-6月期のGDPの中身について解説しましたが、今回は実質GDPの実額について注目してみましょう。なぜ、実質GDPの実額なのかといえば、GDPデフレータがプラス化し(消費税増税したので当たり前ですが)、名目だと実態がつかめなくなってしまうためです。


 実質GDPの実額について、97年と比較してみます。


(1) 前回の増税
 96年4-6月期 113兆2085億円
 96年7-9月期 116兆5373億円
 97年4-6月期 114兆9052億円
 97年7-9月期 118兆5293億円


(2) 今回の増税
 13年4-6月期 128兆3411億円
 13年7-9月期 131兆0900億円
 14年4-6月期 128兆1761億円
 14年7-9月期 ?


 お分かりでしょうか。


 前回の増税時、つまり97年第2四半期の実質GDPは、対前年同期比で見ると、1.5%の成長だったのです。もちろん、昨日も書いた通り「対前期比」で見るとマイナス0.9%、年率換算マイナス3.55%でしたが、対前年同期比では、「消費税増税前の駆け込み消費の反動」があったにも関わらず、対前年同期比ではプラス化していました。


 すなわち、一年前と比べて経済の規模が拡大していたのです。

 それに対し、今回は、14年第2四半期の実質GDPが対前年同期比でマイナス0.12%。第2四半期の時点で、一年前より経済規模が縮小してしまっているのです。より、落ち込みが激しいことが、実質GDPの対前年同期比からも分かります。


 さて、今年の第3四半期(7-9月期)は、対前期比で見ると、経済成長率がV字回復するのは当たり前です。とはいえ、
「V字回復したとしても、対前年同期比のGDPを回復していない場合、一年を通じて経済規模が縮小したことになる」

 わけでございます。

 具体的に書くと、14年第3四半期の実質GDPは、昨年第3四半期の131兆900億円を上回らなければ、「一年を通じて経済規模が縮小した」ことになってしまいます


 すなわち、今年の第3四半期の対前期比(対第2四半期比)は、実に2.27%、年率換算で9%近い成長率を達成しなければ、昨年の第3四半期の経済規模を上回ることができないのでございます。


 できるかっ!


 もっとも、前回の増税時を見ると、実質GDPは約3%のV字回復をしています。今回の第3四半期(つまり、今期)に対前期比2.27%の成長を遂げることは、不可能とは言いません。


 とはいえ、97年時と決定的に違うことがあります。それは、くどいほど書きますが、前回の増税時は実質賃金上昇局面の増税、今回は下落局面の増税だったことです。前回は、国民の実質賃金が上昇していたため、消費税増税前の駆け込み消費に対する反動減に対する「反動増」があったわけです。


 さて、今回、実質賃金が落ち込み、国民が貧しくなり、所得に「余裕」がなくなっている状況で、果たして「反動減に対する反動増」はあるでしょうか。少なくとも、耐久消費財(自動車など)や不動産建築物については、なさそうです。すでにして、悲壮感が漂う数値が出始めています。


 さらに、97年とは家計の貯蓄率がここまで違うのです。
 
【日本の家計貯蓄率の推移(単位:%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#save


 現時点で、数値的には政府が緊急の経済対策を打たなければならない局面ですが、甘利大臣は、昨日の時点で早くも補正予算編成について否定しました。


景気認識は不変、再増税へ必要なら政策対応=GDPで甘利再生相
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GD01M20140813
(前略)
 甘利再生相はGDPについて、消費増税の影響が出たとの見方を示しつつ「景気は緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」と語った。
現時点で今年度補正予算の編成の必要があるかと問われて、甘利再生相は「その必要性を感じているわけではない」と述べた。(後略)』


 別に、そう望んでいるわけではありませんが、今後、実質賃金、実質消費、鉱工業指数などなど、今四半期の経済失速を裏付ける数字が出てくることになります。特に、6月の鉱工業指数があそこまで酷かった以上、7月以降に「急回復」しているなどということは考えられません。


 GDPの縮小は、国民の所得縮小です。すなわち、国民の貧困化です。

 そして、今回の国民の貧困化をもたらしたのは、安倍政権です。経世済民という観点から見ると、明らかな「失政」なのです。


 昨日も書きましたが、失政は問題です。とはいえ、さらに問題なのは「失政から目をそらし、対策を打たないこと」なのです。
 安倍政権に早急に「失政」を認めさせ、正しい対策を打たせなければなりません。厳しい戦いが始まります。


政府は消費税再増税を凍結し、緊急経済対策を組め!にご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆関連ブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

◆三橋貴明関連情報

Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。