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『移民亡国論①』三橋貴明 AJER2014.7.8(5)

http://youtu.be/0vU6JkETtvs

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 講談社から「あなたの所得を倍増させる経済学 」が発売になりました!


 明日は7時からTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 昨日はテレビ朝日「サンデースクランブル」に出演しました。内容的には、この件です。


韓国…揺らぐ巨大財閥1・「遺体が消えた」格差の現実とは
http://jcc.jp/news/8533057
 韓国の巨大財閥(サムスングループ)を巡る労働争議で起きている不可解な事象、韓国での厳しい格差の現状を取材。
 サムスンのグループ会社で修理工として働き、去年発足した労働組合で中心的役割を担い、デモにも参加していたヨムホソクは、労働環境是正を訴え5月に自殺。
 更に組合の仲間たちに火葬を託したヨムホソクの遺言に反し、警察がヨムホソクの遺体を安置所から運びだし、火葬した遺骨も組合に引き渡さないまま隠したとされている。
 ヨムホソクの父親は、当初は組合側に葬儀など段取りを一任していたが、突如態度を変えて遺骨を持ち出した。
 会社側に寝返ったのではないかと元同僚は見ている。(後略)』


 韓国最大の企業サムスン(サムスンだけではないでしょうが)、極めて「合理的」な雇用を実現していました。すなわち、従業員の過半を「非正規化」し、歩合制で給料を支払っていたのです。


 歩合制とは何のことかと言えば、
「仕事があるときに出社させ、時間給で給料を支払う。仕事がないときは、給料を支払わない」
 という話です。要するに、コンビニのバイトと同じですね。


 仕事があるときは、一日15時間労働で、さらに土日も返上して働かせる。仕事がないときは、平日でも給料を支払わない


 というわけで、昨日のサンデースクランブルで取り上げたヨム・ホソク氏の14年4月の給料は、4万円ほどだったそうです。(母親が愕然としていました。息子さんは彼の「サムスングループ」に勤めていたわけですから、無理もありません)


 サムスンは以前は「無労組経営」を貫いていましたが、昨年、ようやく労働組合が発足しました。組合の中心人物だったヨム・ホソク氏は、組合員たちに、
「私の遺体が見つかれば、支会が勝利するまで安置してほしい。 支会が勝利した日に火葬してここに撒いてほしい」
 という遺書を残し、今年の5月17日に自殺しました。


 ところが、ヨム・ホソク氏の希望はかないませんでした。警察権力が介入し、氏の父親の要請で強引に火葬にし、骨壺は父親と共に行方をくらませてしまったのです。警察の後ろに「誰」がいたのか。父親が会社側に籠絡されたのではないか。と、言われていますが、真相は現時点では分かっていません。


 さて、「合理的」な雇用と書いたのは、まさにサムスン電子式「非正規化&歩合給」こそが、企業の利益を最も大きくする雇用制度だと思ったためです。何しろ、需要が少なく、生産をする必要がない時期は、会社側は社員に給与を支払う必要がないのです。


 とは言え、気まぐれな需要により歩合給の給与が決定される非正規社員たちは、生活設計が成り立ちません。4万円の給料では、韓国ですら普通に暮らすことはできないでしょう。


 もちろん、それなりに需要が大きく、仕事がコンスタントにある状況であれば、歩合給でも生活していくことは可能でしょう。とはいえ、特に韓国の大手企業は「グローバル市場」が中心です。グローバル市場の需要がどうなるか、長期的な予想がつく人はいません。さらに、そもそもグローバル市場で勝つためには、人件費を引き下げなければなりません。歩合制の非正規雇用は極めて「合理的」な雇用制度なのです。


 サムスン・グループのように「超大手企業」に努めている人々が、歩合給の非正規雇用で、需要に振り回され、貧困化していく。所得が足りない人々は、借金に頼り、生活する。とはいえ、韓国は信用階級が比較的厳しいため、彼ら、彼女らは最終的には闇金(年利数百%の世界です)に依存するようになり、人生が終わる。


 まさに、「グローバル経済の優等生」でございます。現在の韓国の経済構造に、「国民の所得や中間層が増える形で経済成長する」という発想は全くありません


 お分かりでしょうが、現在の安倍政権が進めている各種の労働規制の「改革」は、日本の韓国化の道です。別に、日本が韓国化すると断言する気はありませんが、方向的には間違いなくそうなのです。


 韓国は知りませんが、日本はまだ、
国民の所得や中間層が増える形で経済成長する
 ことが可能な構造を持っています。まだ、間に合うのです。
 日本国民は今こそ「所得」や「豊かになる」ことの意味を正しく知る必要があります。ここでいう「豊かになる」とは、わたくし達一般の生産者の所得が増えていく、という意味を持ちます。


 日本国の国民として、自国に韓国化の道をたどらせるのは、御免こうむります。だからこそ、わたくしはこのタイミングで「あなたの所得を倍増させる経済学 」を刊行したわけでございます。


「日本の韓国化はお断りだ!」にご賛同下さる方は、

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