三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

NEW!『経済学と思想(前編)①』三橋貴明 AJER2013.11.12(3)

http://youtu.be/ZJKqLwPRs7A

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12月2日グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」 (京都)

NEW!12月13日「日本大復活 東京オリンピックと安倍政権、日本経済の行方 」(大手町)

12月19日 「「“強い”日本経済は実現するか?」 --安倍政権誕生一年とこれからを検証する 」(御茶ノ水) 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

三橋貴明の「新」日本経済新聞のフェイスブックのページができました!https://www.facebook.com/mitsuhashipress
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【顔のない独裁者】特設ページはこちら。
http://rensakaki.jp/release/dokusaisya.html
【顔のない独裁者】が100倍面白くなる座談会(三橋貴明、さかき漣、平松禎史、古谷経衡)特別音声プレゼントのページはこちら。
https://www.keieikagakupub.com/sp/SAKAKI/index.php


 「新世紀のビッグブラザーへ」がKindle版が出ていて吃驚しました。

http://www.amazon.co.jp/dp/B0081BFH94/

 「顔のない独裁者 」のプレストーリーです。よろしくお願いいたします。

 



 本日、遊タイム出版から「図解 逆説の経済学――メディア・評論家に歪められた真実 」が発売になります。本書は、アベノミクス、金融政策、財政政策、そして問題の「成長戦略」について図解で整理したものです。


 講演やブログなので何度も書いていますが、安倍政権は経済対策については、
「金融政策 + 財政政策」
 つまりはアベノミクス第一の矢と第二の矢という「普通のデフレ対策」のみをやっていれば良かったのです。総需要を減らす(=デフレを深刻化させる)消費税増税は先送り、さらに競争を激化させることで物価を押し下げる成長戦略という名の「構造改革」「規制緩和」をやらなければ、我が国は来年のクリスマスくらいには首尾よくデフレ脱却(=コアコアCPIとGDPデフレータが2%に近づく)できたと思います。ところが、消費税増税は決定され、さらにデフレ化政策(=インフレ対策)である構造改革、規制緩和を推進する、と。


 わたくしは安倍政権の金融政策と財政政策については(量の問題はともかく)批判する気もなければ、批判したこともないですが(しつこいですが、量の問題は除く)、事実上の構造改革である「第三の矢 成長戦略」は猛烈に批判しています。ブログのみならず、テレビでもやりまくっています。理由は単に、
「デフレ脱却を訴えて成立した政権が、デフレ化政策である構造改革を実施するのは間違っている
「安倍政権の構造改革が、所得のパイが拡大しない中で特定の『事業家』『投資家』にレントを提供するレント・シーキングにしか見えない
 ためです。


 とはいえ、緊縮財政の話はともかく、「構造改革」「規制緩和」については、日本国民は正しい知識を持っているとは言えません。だからこそ、図解で「規制緩和」などについて詳しく解説し、日本国民の皆様に正しい知見を持って頂こうとしているわけでございます。


 当然、「図解 逆説の経済学――メディア・評論家に歪められた真実 」では「国境を越えた規制緩和&ルール統一」である、TPPについても細かく書いています。その、TPP。


TPP年内妥結へ決断を=日本の農業も例外認めず-米通商代表
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013111500199
 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は14日、ワシントンで開かれた日米財界人会議で講演し、環太平洋連携協定(TPP)交渉の年内妥結に向けて「日本を含む全ての交渉参加国は厳しい決断を下す必要がある」と語った。同代表は「日本の重要分野が農業であることは知っている」と述べた上で、関税撤廃などの自由化措置に例外は認められないと強調した。
 同代表は、TPP交渉では関税撤廃や金融サービス、投資などの分野が課題だと指摘。交渉に参加する12カ国それぞれの政治決断が必要になると説明した。米国が問題視する日本の自動車や保険などの非関税措置の是正についても、「TPP交渉全体の進展に不可欠だ」と語り、日米2国間の並行交渉で解決を急ぐ姿勢を示した。』


 自民党が「TPP交渉に関する決議(平成25年3月13日)」を守る気があるならば、TPP交渉から脱退しなければならないでしょう。何しろ、同決議には、
「特に、自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要5 品目等やこれまで営々と築き上げてきた国民皆保険制度などの聖域(死活的利益)の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする。」
 と、書かれているわけです。と言いますか、現時点で「脱退」の話が出てこない時点で、異常です。というわけで、わたくしは今週から自民党の各議員に「奮起」といいますか、せめて「声を出すべき!」と訴えて回る予定になっています。


 ところで、財務省主導の緊縮財政(消費税増税や公共事業削減)やTPP、国家戦略特区、各種の規制緩和といった構造改革との関連性について、ポール・クルーグマン教授が今年の五月に、面白いコラムを書いていましたので、ご紹介。(例により、わたくしの超訳なので、変なところがあったら指摘して下さい。修正します)


『The Smith/Klein/Kalecki Theory of Austerity(緊縮のスミス・クライン・カレツキー理論
http://krugman.blogs.nytimes.com/2013/05/16/the-smithkleinkalecki-theory-of-austerity/?_r=0
Noah Smith recently offered an interesting take on the real reasons austerity garners so much support from elites, no matter hw badly it fails in practice. Elites, he argues, see economic distress as an opportunity to push through “reforms” — which basically means changes they want, which may or may not actually serve the interest of promoting economic growth — and oppose any policies that might mitigate crisis without the need for these changes:
(ノア・スミスは、最近、緊縮財政に関する興味深い「本当の理由」、緊縮財政が失敗しようとも支持される理由を説明していたエリートは厳しい経済的苦難を「改革」、要するに「彼ら」が望む変革を意味するわけだが、改革を推進するための機会として見なしており、改革が実際に経済成長をもたらすのか、もたらさないのかは知らないが、いずれにせよそうした変革を伴わずとも危機を抑制できる可能性がある、あらゆる政策に反対するとのことだ。)


I conjecture that “austerians” are concerned that anti-recessionary macro policy will allow a country to “muddle through” a crisis without improving its institutions. In other words, they fear that a successful stimulus would be wasting a good crisis.
(私は「緊縮財政派」が、反緊縮的なマクロ政策が国家に対し、制度改革なしで危機を「何とか凌ぐ」ことを可能にしてしまうことを懸念していると推測している。言い換えれば、彼らは景気刺激策が(彼らにとり)都合がいい危機を無駄にしてしまうことを恐れているのではないか。)


If people really do think that the danger of stimulus is not that it might fail, but that it might succeed, they need to say so. Only then, I believe, can we have an optimal public discussion about costs and benefits.
(もし人々(緊縮主義者)が景気刺激策の「危険性」は、それが失敗することではなく、むしろ成功することと思っているなら、素直に主張するべきだろう。そうすることで、我々はコストと便益に関する最適な公的な議論を持つことができると私は信じている。)


As he notes, the day after he wrote that post, Steven Pearlstein of the Washington Post made exactly that argument for austerity.
(スミスが指摘した通り、彼が記事を書いた後に、ワシントンポストのスティーブ・パールスタインがまさに緊縮財政のための主張を展開した。)


What Smith didn’t note, somewhat surprisingly, is that his argument is very close to Naomi Klein’s Shock Doctrine, with its argument that elites systematically exploit disasters to push through neoliberal policies even if these policies are essentially irrelevant to the sources of disaster. I have to admit that I was predisposed to dislike Klein’s book when it came out, probably out of professional turf-defending and whatever — but her thesis really helps explain a lot about what’s going on in Europe in particular.
(スミスは書いていないが、やや意外なことに、彼の議論はナオミ・クラインが「ショックドクトリン」で示した、たとえ災害の発生とは無関係であっても、エリートが新自由主義的な政策を押し通すために災害を組織的に活用する手法と酷似している。私は、恐らく無意識にプロフェッショナルとしての防衛本能が働き、クラインの本を嫌悪していたことを認めざるを得ない-とはいえ、彼女の書籍は特に欧州で何が起きているかを説明するのに本当に役に立つ。)


And the lineage goes back even further. Two and a half years ago Mike Konczal reminded us of a classic 1943 (!) essay by Michal Kalecki, who suggested that business interests hate Keynesian economics because they fear that it might work — and in so doing mean that politicians would no longer have to abase themselves before businessmen in the name of preserving confidence. This is pretty close to the argument that we must have austerity, because stimulus might remove the incentive for structural reform that, you guessed it, gives businesses the confidence they need before deigning to produce recovery.
(さらに、話は過去にさかのぼる。二年半前、マイク・コンザルは我々に1943年の古典(!)におけるエッセイ、すなわちケインズ経済学は「それがうまくいく」からこそ、却って「事業利益」から憎まれるというカレツキーの経済学を我々に思い出させてくれた。何しろ、ケインズ政策がうまくいくことは、政治家が自信を回復し、信任の維持のために企業家の前でもはや頭を垂れる必要がなくなることを意味している。これは、

「我々は緊縮を維持しなければならない。なぜなら、景気刺激策は構造改革に対するインセンティブを取り除いてしまう」

という議論、さらに推測できるだろうが、構造改革こそが景気回復前に企業に提供されるべきという議論に極めて近い。)


And sure enough, in my inbox this morning I see a piece more or less deploring the early signs of success for Abenomics: Abenomics is working — but it had better not work too well. Because if it works, how will we get structural reform?
(また、案の定、今朝方私のメールボックスに「アベノミクスの初期段階の成功の兆しに関する嘆き」が届いていた。アベノミクスは、動いている。とはいえ、あまりうまく機能しない方が良い。なぜならば、もしもそれがうまくいくと、我々はどのように構造改革を実現すればいいのか。)


So one way to see the drive for austerity is as an application of a sort of reverse Hippocratic oath: “First, do nothing to mitigate harm”. For the people must suffer if neoliberal reforms are to prosper.
(というわけで、緊縮財政を推進する一つの道は「逆ヒポクラテスの誓い」を適用することに見える。

「まずは、痛みを軽減するために何もするな」

新自由主義を繁栄させるためには、人々が苦しまなければならないのだ。)』


 クルーグマン教授の推測が正しいとなると(わたくしは正しいと思いますが)、まさに「消費税増税」はアベノミクス第一の矢と第二の矢、すなわち金融政策と財政政策のパッケージという「正しいデフレ対策」を妨害するために実施されることになります。理由は、経済危機(デフレ)が継続すると、構造改革が「容易になる」ためです。


 結局は、既存産業に新規参入し、お金儲けをしたい「誰か」が新古典派経済学のテーゼを利用しているというだけの話であり、この手の動きは何としても食い止めなければならないと思っているわけです。というわけで、わたくしは今週から議員さんへのインプット活動を本格化致しますので、皆様も是非「図解 逆説の経済学――メディア・評論家に歪められた真実 」をお読み頂き、「彼ら」に対抗する武器の入手を模索して頂ければと存じます。


クルーグマン教授のコラムに「なるほど・・・そういうことか・・・」と思われた方は、

このリンクをクリックを!
新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


◆さかき漣のページはこちら
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◆本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog

ポルパパのブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

投資と車と日々の起業家日記 管理人:ポルパパさん

おじさんの談話室

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座

◇日本経済復活の会

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。