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『規制緩和を考える(後編)①』三橋貴明 AJER2013.6.18(1)

http://youtu.be/kpAwByL4wPM

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 NEW! 7月4日(木) 沖縄経済成長セミナー「公共事業が沖縄を救う」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Okinawa

 7月11日(木) 第11回烏山講演会「世界経済とマスコミの嘘」(会場:東京都)

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 なぜか三冊同時に予約可能となりました。



 本日から三日間、日本大復活の真相 」のAmazonキャンペーンがあrます。過去にAmazonでご購入頂いた方も音声ファイルをダウンロード可能です。
http://www.asa21.com/nichidai.html
 「日本大復活の真相」は主に国内の話だったので、音声ファイルは国外(米中韓)について語っています。

 本書、amazonキャンペーン開始前に再増刷(三刷)が決まりました! ありがとうございます!


 本日は岡山から福岡に移動して、講演です。
 
 参議院が、というか野党が、というか民主党が衆院の選挙改革「0増5減」参議院で60日間審議放棄し、「みなし否決」になり、衆議院で再可決され、成立し、自民党が参院議長の不信任決議を出し、民主党が不信任決議の審議を拒否し(不信任決議案は普通は優先して審議される)、予算委員会を強引に開こうとし、自民党が、
「参院議長の不信任決議が先だろ」
 と主張すると、民主党が、
「与党は予算委員会から逃げている!」
 などと叫びだし、首相問責決議案を出し、こちらはすぐに参院で審議され、可決されるという大混乱の末、民主党がすでに合意していた複数の法案が廃案になりました。


 まさに、民主党が参院で優位を保っている「今」しかできない「最後っ屁」という感じでございました。


 廃案になった法案の中に、「電気事業法改正案」がありました。民主党の「政局優先! ラストチャンス!」は言語道断でございますが、「電気事業法改正案」が取りあえず廃案になったのは、我が国にとって「幸運」かも知れません。


電事法廃案:電力改革秋に持ち越し 発送電分離後退懸念も
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000m020079000c.html
 電力システム改革のための電気事業法改正案が26日、参院選を控えた与野党の国会駆け引きのあおりで廃案となった。電力改革を成長戦略の柱の一つとする安倍政権は秋の臨時国会に改正案を再提出する方針。しかし、改正案の成立先送りで、電力業界や与党の改革慎重派には巻き返しの余地が生まれた。参院選後の政治動向次第で、電力会社から送配電部門を分離する「発送電分離」など目玉の改革策が後退する懸念も指摘される。
 「国会で審議を尽くし与野党で成立に合意しながら、最終盤で廃案になったのは極めて残念。秋の臨時国会で必ず成立させる」。茂木敏充経済産業相は26日、改正案成立に改めて意欲を示した。
 改正案は大手電力会社による地域独占体制を崩す戦後最大の電力改革の入り口に当たる法案。改革方針はもともと2011年の東京電力福島第1原発事故などを受けて民主党政権が検討。昨年末の自民党への政権交代後、安倍政権が改革方針を引き継ぎ、電事法改正案を仕上げて、4月に国会に提出した。
 改正案は15年をめどに全国規模で電力を融通する「広域系統運用機関」の創設が柱だが、付則には16年の電力小売りの全面自由化や、20年までの発送電分離の実現など改革全体の工程表が盛り込まれている。家庭向けも含む電力小売りの全面自由化は電力会社間の競争を促すことでサービスの選択肢を広げ、電力料金抑制につなげる狙いがある。また、発送電分離は大手電力の地域独占体制を崩すための“本丸”の改革策で、経産省は今国会で改正案を成立させ、改革の道筋を付けたい考えだった。
 安倍政権は省エネビジネスなど新規産業創出も期待できる電力改革をアベノミクスの成長戦略の柱に位置づけており、参院選後の秋の臨時国会で改正案を成立させる方針だ。経産省は「今秋に成立すれば、15年の系統機関設立も可能で、電力改革のスケジュールに致命的な遅れは出ない」(幹部)としている。
 ただ「発送電分離」については、電力業界が反対姿勢を崩していない。さらに、自民党内でも「電力安定供給には発電と送配電を一体的に行う方が望ましい」(ベテラン議員)との慎重論が根強い。参院選後の改正案の国会再提出をめぐっては、改革を骨抜きにしようとする動きが出てくることも予想される。』


 実は、電気事業法改正案の中にある「発送電分離」をこのままやってしまうと、日本は、というか日本国民は将来「大変な事態」に直面することになるのです。理由は、例の再生可能エネルギー特別措置法によるFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度、Feed-in Tariff)との整合性です。日本で、
「発送電分離!」
 などと叫んでいる人のほとんどが知らない(非常に問題)のですが、発送電分離とFITを組み合わせてやっている欧州で、今、実際に「大変な事態」が進行中です。


 発送電分離により、電力会社(厳密には送電会社)は電力の卸売市場から、複数の発電会社から「最も安価な」電力を購入することになります。とはいえ、太陽光、風力といった再生可能エネルギーは「固定買取義務」があるため、不整合が発生してしまうのです。


 再生可能エネルギーはFITの法律により、
「電力の需給とは無関係に、市場価格より高い一定価格で、長期間買い取られることになる」
 という特徴を持ちます。それに対し、従来型電源は市場メカニズムで価格が決まります。すなわち、再生可能エネルギーと比べて「安い」のです。

 FITと発送電分離が組み合わされた結果、市場メカニズムが歪み、従来型電源(火力、原子力など)に対する投資インセンティブが低下します。そりゃまあ、発電会社側にしてみれば、
「いかなる時も、市場メカニズムと無関係に高い買取価格で購入してもらえる再生可能エネルギー」
 の方に投資したくなりますわな。しかも、従来型電源は「発電所を建設しよう」と決心してから、実際に稼働するまで十年単位の時間が必要です。


 というわけで、欧州(ドイツなど)ではFITと発送電分離が組み合わされた結果、FITばかりに投資され、従来型電源の不足という現象が発生しています。すると、困った事態が発生します。何しろ、再生可能エネルギーは天候などによって発電量が変わってしまうのです。電力会社は、FIT系の電力が不足しているときは、従来型電源に頼らざるを得ません


 とはいえ、従来型電源の方は「市場メカニズム」により価格が決まるため、投資が増えるどころか、発電所の廃棄が相次いでいます。となると、いざ再生可能エネルギーの発電が不足した時の「バックアップ電源」が足りないということになってしまうのです。(なってしまったのです)


 結果、欧州の一部の諸国では「仕方がない」ということで、バックアップ電源用の「容量市場」を、通常の卸売市場とは別に作ろうとしています
「市場メカニズムだけでは、十分な電力供給量を確保することが困難」
 というわけで、従来型電源の発電容量に一定の価格での買い取りを事前に決定する「容量市場」を造ることで、バックアップ電源を確保しようとしているわけです。


 まさに「屋上屋を架す」という感じでございます。


 本問題は、現在、執筆が佳境に入っている「国家の階層-ザ・レント・シーキング(仮)」で詳しく取り上げています。民主党、他野党の愚かな行為により、電気事業法改正案が一旦は廃案になりました。これを「幸運」として捉え、FTIと発送電分離を組み合わせると、何が起きるのかについて国民、特に「政治家」に知って欲しいと考えているわけです。ほとんどの政治家というか、恐らく「全て」に近い政治家が知らないでしょう。


 本件は「本当に重大な問題」であり、しかも後戻りが不可能に近い案件なので、優先順位を高めて訴えていきたいと思います。

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