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『規制緩和を考える(前編)①』三橋貴明 AJER2013.6.11(3)

http://youtu.be/qQH3_7-vXvY

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 6月30日(日) 益茂証券主催「アベノミクスと日本経済の行方」(会場:福井県福井市)

好評につき満席となりました。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Masmo

もしくはhttp://www.masumotto.com/contribution?id=cnt47113

 7月11日(木) 第11回烏山講演会「世界経済とマスコミの嘘」(会場:東京都)

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#karasuyama

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 「言志 Vol.11」http://p.booklog.jp/book/71749  に、「日本の"真の敵"は、内なる日本人と日本国民である」を寄稿しました。


 さて、昨日、企業と政府を混同する困った人たち(困った人では済まないのですが)について書きましたが、これは面白いことに「常識的」であればあるほど、はまり込む罠なのです。


「借金は返済しなければならないんだよ。当たり前だろ?」
 という話で、自らを常識的と思いたがる人ほど、「うむ。確かにそうだ」と思ってしまうわけです。朝日新聞が得意とする、「政府の負債」を家計簿にたとえるプロパガンダも、常識的な人であるほどミスリードされます。
「そうよね・・・。月収50万円の人が毎月40万円増やし、借金残高が1000万円に達していたら、破綻しないわけがないわ」
 と、家計簿について理解している(主に)主婦の方々をミスリードするため、上記のレトリックが産み出されたのでしょう(恐らく)。


 政府は家計でも営利企業でもなく、徴税権と通貨発行権という大権を持つNPOであり、目的は利益でも借金返済でもなく「経世済民」である。と、理解すれば「全てが解ける」わけですが、「常識の壁」はなかなか手ごわいのです。


 さて、「常識の壁」が正しい理解を妨げると言えば、「規制緩和」「自由貿易」系の話も同じです。


「政府の規制は緩和し、国境を超えて自由貿易をやった方がいいんだよ。そんなの常識でしょう?」
 というわけで、TPP賛成という話になるのでしょうが(こういう人、本当に多いです)、常識の壁を打ち払い、根っ子から考えてみれば、実はTPPは自由貿易でも何でもなく、特定企業の利益を拡大するための経済のブロック化であることが分かります。


 TPPの事前交渉で、日本政府は簡保の「日本のがん保険サービス市場」への参入を認めないと表明しました。あれは、なぜですか。日本のがん保険の市場で圧倒的なシェアを持つ「外国企業」、すなわちアメリカンファミリー生命保険の利益を守るため以外に、何か理由があるのですか? という話でございます。


 今後の日本ではPP交渉に絡み、この手の話が山ほど出てくることになります。というわけで、わたくしは現在、「国家の階層-ザ・レント・シーキング」という本を懸命になって書いています。 

 さて、「自由貿易」「規制緩和」といった美名で「真相」を覆い隠し、レント・シーキングを実現しようとする人々に対しては、一部のアメリカ人も激怒しています。代表が、もちろんこの方。


TPPと規制緩和を問い直す(ジョセフ・E・スティグリッツ)
http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/1306tachimi/04.html
◆TPPは特定集団のために「管理」された貿易協定だ
 賛否両論を呼び、物議をかもしているふたつの分野について、お話ししたいと思います。ひとつは自由化や規制緩和に関することです。もうひとつは貿易にまつわる政策についてです。
 貿易政策について非常に重要なポイントは、TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする自由貿易協定が「自由」な貿易協定ではない、ということです。
 どうして「自由」貿易協定ではないのか。私はときどき冗談めかしてこんなふうに答えています。
「もしある国が本当の自由貿易協定を批准するとしたら、その批准書の長さは三ページくらいのものだろう。すなわち、両国は関税を廃止する、非関税障壁を廃止する、補助金を廃止する、以上」
 実際の貿易協定の批准書がどんなものかご覧になったことはありますか? 何百ページ、何百ページと続くのです。そんな協定は「自由」貿易協定ではありません。「管理」貿易協定です。
 こうした貿易協定は、ある特定の利益団体が恩恵を受けるために発効されるものです。特定の団体の利益になるように「管理」されているのが普通です。
 アメリカであればUSTR(米国通商代表部)が、産業界のなかでも特別なグループの利益を代弁している。とりわけ政治的に重要なグループの利益を、です。
 TPPはアメリカの陰謀だと揶揄する人もいますが、そうです、確かにそういう側面はありますよ。こんなことは新しいニュースでもなんでもないでしょう。
 しかも、こういう二国間の貿易協定が発展途上国に多大な犠牲を払わせているのです。二〇〇一年一一月のドーハ開発ラウンドで発展途上国と合意事項がありましたが、アメリカはその合意を反故にしたのです。今から考えると、我々は発展途上国にとってフェアな多国間貿易体制をつくるべきだったと思います。実際に自分が関わったケースでも、二国間の貿易協定で途上国に大変な犠牲を強いることがよくありました。 (後略)』


 長いコラムですが、スティグリッツ教授が思いっきり「ぶっちゃけている」ので、是非、最後まで読んでみてください。タイトルだけ並べてみても、

◆TPPは特定集団のために「管理」された貿易協定だ
◆九九パーセントの国民の生活を犠牲にするTPP
◆貿易協定と国内の法規制との対立
◆ウォールストリートの言いなりになるな!
◆規制緩和が世界金融危機を引き起こした
◆イノベーションの方向転換が必要だ


 こんな感じでございます。


 特に、
「自由化や規制緩和を進めるときには、心に留めておくべきことがあります。自由化それ自体が、ある特定の利益団体の狙っていることであり、彼らの利益になるということです。」
 というスティグリッツ教授の言葉は、本ブログユーザの方々の納得を得られるのではないでしょうか。


 極めて汚いことに、「彼ら」は特定の利益団体として「自分たちの利益」を拡大するレント・シーキングを行うとき、別の利益団体を「既得権益者」として攻撃します。日本で攻撃されているのは、もちろん農業団体であり、医師会です。


 そして、TPPを「農業問題」に矮小化し、
TPPに反対する政治家たちは、農協票欲しさに反対しているだけだ。薄汚い既得権益者を庇おうとする屑どもだ!」
 と、印象操作を行い、政治家が反対しにくい空気を作っていくわけです。実際には、「薄汚い既得権益者」とは、彼らそのものであるにも関わらず。


 そのとき、日本国民が「既得権益は悪! 規制緩和は善!」と「常識」として思い込んでいた場合、スティグリッツ教授の言葉通り、国民生活を犠牲にさせられることになります。「常識の壁」を打ち破らなければなりません。


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