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09年の実質成長率5.0%減 戦後最悪の落ち込み
http://www.nikkei.co.jp/keiki/news/20100215dfs1500g15.html
 内閣府が15日発表した2009年暦年の実質国内総生産(GDP)成長率はマイナス5%となった。2年連続のマイナス成長で、戦後最悪の落ち込みを記録した。ドルに加算した09年の名目GDPは5兆849億ドル。中国の4兆9090億ドルをかろうじて上回り、米国に次ぐ世界2位の座を維持した。10年には日中の名目GDPが逆転するとの見方が多い。
 09年の実質成長率は、08年のマイナス1.2%より大幅に悪化。1998年のマイナス2%を下回り、戦後最悪を更新した。実感に近い名目成長率もマイナス6.0%と戦後最悪の落ち込みを記録した。
 09年は金融危機の影響で、内需、外需がいずれも不振だった。実質ベースでみると設備投資は前年比19.3%減、個人消費も1.0%減となった。景気対策の効果で公共投資は5.8%増えた。輸出は24.0%減り、外需が実質成長率を1.2ポイント押し下げた。 』

 09年の日本のGDP成長率は、実質値で5%減、名目値で6%と、戦後最悪になりました。
 実は、最近(03年以降)の日本は名目GDPが低迷しても、個人消費は拡大する(少しずつですが)状況が続いていたのですが、ここにきてついにマイナスに転じました。とは言え、他の支出項目の減少が著しく、個人消費が名目GDPに占める割合は、かえって増加してしまうという、皮肉な現象が起きています。

日本の名目GDP2009年 百分比
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#GDP09

 個人消費対GDP比率は、08年の57.8%から、09年は59.5%と、六割目前に迫っています。
 それはともかく、09年の企業の設備投資と公共投資を比較すると、恐ろしい状況が起きていることがわかります。

日本の民間企業設備投資と公共投資の推移
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#Toshi

 特に下の図(1980年を1としたグラフ)をご覧頂ければお分かりになると思いますが、09年の民間企業設備投資の減少幅は、あのバブル崩壊直後の各年をも上回っているのです。今や、企業の設備投資は小泉政権発足直後の02年不況時の水準をも下回ってしまいました。

 問題は、バブル崩壊後の設備投資落ち込み時には、公共投資を中心とした政府支出を拡大することで、GDP全体の落ち込みをカバーできたのが、今回は全くなされていないという点です。(09年の公共投資は少しだけ前年より増えたので、「全く」というのは言い過ぎかも知れませんが)
 わたくしは頻繁に、
「日本の公共投資は、1980年という三十年前!!をも下回っているんですよ! これが正常な国家経済ですか!」
 と言ったり書いたりしますが、グラフをご覧頂くと、06年以降の日本の公共投資が毎年1980年を下回っている現実を改めてご確認頂けるでしょう。

 設備投資がバブル崩壊後を上回る激減。
 公共投資が低迷したまま。
 純輸出はわずかに1兆4262億円。

 こんな状況で、よくもまあ個人消費(民間最終消費支出)がマイナス1%程度で済んだものです。改めて書きますが、

◇GDP=個人消費+民間投資(設備投資など)+政府支出(政府最終消費支出+公共投資)+純輸出

 です。民間投資が激減する中、政府支出や純輸出が底這い状態にある以上、日本経済がまともに成長できるはずがありません。とは言え、毎回書いているように、政府が企業に向かって、
今年は設備投資を○○兆円、増やしなさい
などと命じることはできません(命じても、聞くわけがありませんし、聞く必要もありません。企業の投資は、企業のリスクで行われるのです)。
 政府に可能なことは、設備投資減税などの所得移転政策により、企業に投資を「促し」、同時に公共投資などで自ら需要を創出することだけなのです。
 ところが民主党政権は、「コンクリートから人へ」などと「標語」を用い、公共投資中心の成長戦略を自ら封印してしまっています。(その裏で、党の幹事長が選挙がらみで公共投資の予算を配分するという、最悪の政権です)

 結局のところ、民主党政権は未だに「どの支出項目で成長するのか?」という問いに対し、未だに回答していないのです。回答がない、すなわち成長戦略がない以上、企業としても投資を拡大できないし、家計の個人消費も萎縮したままです。
 さすがに、今年は昨年の設備投資激減の「反動」があるものと信じたいです。とは言え、民主党政権が成長戦略を明確に打ち出さない以上、企業としても何に投資したらいいのか、手探りな状況が続いてしまうわけです。


※明日の予告「三橋貴明の消失!」


成長戦略なき民主党政権に、改めて戦慄してしまった人は、

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