上左:会場(磐田市豊岡東公民館)周辺の田園風景

上右:フォーラムポスター

中左:講演の様子。飾り付けられた竹は地元有志による手作り。

中右:竹細工はこのようにライトアップされていた。
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「黎明フォーラム」とは静岡県磐田市の旧豊岡村地域で不定期に行なわれている

講演で、地域の文化やコミュニティの実情から、まちづくりの今後を模索していく

きっかけ作りの場である。


建築士の活動というのはただ単に建物を設計するだけでなく、それを建てる

舞台になるまちを知るというのも大事である。

直接仕事にすぐ反映することは少ないかもしれないが、抽斗の中は多くのものが

つまっていればつまっているほどよいというわけだ。


さて、話を「黎明フォーラム」に戻す。

そもそもこのフォーラムに1995年の初回から携わってこられた静岡県庁のM氏という

方がいる。現在県観光部観光振興室の主幹の席におられる氏だが、入庁は建築畑

であり、フォーラムを興す一年前の94年、磐田市北部の豊岡地区がまだ磐田郡豊岡村

だった当時、同村に出向し同村の市街地整備計画に関わり、それを契機に活動の幅を

広げ、96年より遠く大分県湯布院観光総合事務所に出向、その後現在のポストにいる

わけだが、2003年3月に建築士会中支部で氏を講演会にお招きし、由布院に関する

講演をしていただいたことから中支部との接点ができたというわけである。


前・現の二人の支部長(+現支部長の奥様)とともに本日そのフォーラムに参加してきた。

最初はM氏による基調講演、その後はM氏をコーディネーターに自治会地区長・NPO・

土地改良区(水土里ネット)次長、地場資本外食産業会社取締役の4氏をパネラーに迎え、

パネルディスカッションと相成った。

驚いたのは参加者の表情である。一見だがサクラやお付き合いで来た方は少なく、

熱心にメモを取ったりしているのが印象的であった。住民意識が高いのである。

パネラーの中ではNPOの代表者のK氏が印象的であった。本職は歯科技工士である

氏だが、NPOでは週2日休日になった子供たちに英語学習やその他活動を行なっている

そうである。「自分は名ばかりの代表ですが」と謙遜しつつも、その雄弁さは活動に対して

の誇りを感じた。

M氏の講演では活動の具体的な進め方や意見の統率手法などが語られ、特に印象を

引いたのは「ふりかえり」の徹底と、「NATO=No Action Talk Onlyとならないこと」の

二つだった。「ふりかえり」とは飲み会にあらずの反省会の席を設ける事という意味で、

「NATO」とは上手いことを言ったものだ。士会活動に限らず、こういう活動をやっていると

残念なことにごく稀にこういう人間もいるものなのである。


しかし、こういう場所はやはり活動に参加してこそ出会えるわけでありこれから地域づくりや

まちづくりの場に出た時に(本当にあるのか!?)参考になることも多く、貴重な経験であった。


その他の本日の道中の記録はこちらこちらこちら


(開催会場の記載に誤認がありましたので冒頭部の一部文面修正しました。10/24筆者注)