【問題があって順調】
本日もお立ち寄りくださりありがとうございます。
ここしばらく、存在論という立場から
『進化論的人間観』、『創造論的人間観』
を比較して考えております。
もうしばらく、このテーマで記事を書きすすめて
いこうと思っています。
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『進化論的人間観』・・・「淘汰」ということばを軸に
それが、人の深層心情にどのような影響を及ぼしているか・・
特に、「弱さが認められにくい社会」を形成する・・というところ、
自殺の問題とも、自分なりに関連づけて考えてきました。
http://ameblo.jp/taizo-bokushi/entry-10012763104.html・・・今回は、進化論的価値観、人間観は、
「問題を隠蔽させる体質を生むのではないか」
ということを考えてみたいと思います。
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自殺の問題をあまり、クローズアップはしないようにと
思っておりますが・・・
自殺をされる種々の原因、要因はあるかと思いますが・・
背負いきれない問題を抱え込まれて・・自殺に追い込まれる
という方は多いのではないでしょうか・・・。
進化論的人間観で物事をはかろうとしたとき、
問題があるところは淘汰される・・・のですから
”問題が赦されない” ”問題があっては、いけない・・
問題を起こしたら大変だ”という、過剰に、
強迫的心情に、かられてしまうのでは・・・
と思うのです。
よって、進化論的価値観、人間観があると・・・
何か問題が発生したとき、
それをなんとか、わからないうちに、表ざたにならないうちに
解決してしまおう・・・という【隠す】体質・・【隠蔽体質】が
助長されるのではないか・・・と思うのです。
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何か問題が起きた時に・・・
早め早めにオープンにして、共に考えることが
できたら、いいのですが・・・それが難しい・・・。
かくして、かくして、それを隠していることをも
隠していくものだから・・・雪だるま式に
問題が膨れ上がる・・・。
どうして、隠してしまうか・・・
問題が発覚したら、【評価】に関わるから・・・
では、ないでしょうか。
また、後日、【評価】ということばと
【進化論的人間観、価値観】との関連について
お伝えしなければなりませんが・・・
【評価】に影響するので、その人個人の問題でなく
職場全体に関係することであっても、
担当者、一人で抱え込もうとする・・・。
上司には、【評価】に関係するものだから、相談しにくい・・・
同僚は、ライバル関係だから、相談しにくい・・・
ましてや、部下には、沽券にかかわることだから相談しにくい・・・etc
その結果、一人で問題を抱え込もうとされてしまう・・・。
事によっては、その人一人が責任を負わされて
【スケープゴート】(犠牲)となってしまう・・・。
そのような体質の根底には、その深層、感情構造には
「問題があったら淘汰される」という進化論的価値観に起因する心情が
横たわっていないだろうか・・・とわたくしは、考えるのです。
問題が起きているということだけでも大変なのに
「問題発生」を隠さなければいけない・・
落ち着いて問題に対処しにくい状況進化論的価値観のゆえに、
話しにくい、オープンにしにく社会・・・
・・・ストレスが重なっているのではないでしょうか。
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それに対して、「問題」を創造論的価値観で考えてみたいと思い
今日の表題を、【問題があって順調】としました。
実は、このフレーズは、
下記に紹介する本の著者でいらっしゃる
向谷地生良(むかいやち・いくよし)さんの言葉なのです。
”問題はあって、順調、順調”
”問題はあってあたりまえ、成長している証拠
一生懸命取り組んでいる証”
このフレーズは、私自身、問題に直面した時、
この言葉を繰り返し・・・自分に言い聞かせるように
しています。
- 浦河べてるの家
- べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章
- 向谷地 生良
- 「べてるの家」から吹く風
北海道浦河町にある「べてるの家」は1984年に発足しました。
精神障害をかかえる【当事者】による、地域貢献、社会進出を
旗印に「商売」として、日高昆布の産地直送、紙おむつの
宅配に挑戦・・1993年には、「べてるの家」のメンバーのほか、
全国の出資者を得て、有限会社福祉ショップべてるを設立
総勢100名を超える【当事者】が関わるまでに、成長しました。
全国ではじめて、【当事者】が理事長、施設長に就任
社会福祉法人を設立。さらに、小規模授施設、グループホーム
を運営し、地域と一体となり、過疎にさびれていた町の復興に
大きく貢献しています。
”弱さ”、”問題”を武器に、年商1億円超・・・
過疎の町の再生に寄与したのは、
従業員がみな【当事者】、精神的な疾患をかかえた
状況にある会社なのです。
精神的な疾患、特に、統合失調症・・・の方々です。
・・・この20年間、そこは問題しかない、問題だらけの
世界でした。その問題多き「べてるの家」の成長のために
尽力された向谷地さんの、汗と涙、悲しみと挫折・・
理不尽さ、筆舌にしがたい苦労は、意外にも、ユーモアで
包まれた抱腹絶倒な文章となって、著書に書かれていますが・・・
・・・実際は、大変だったと思います。
しかし、その労苦は見事に評価されて・・・
「べてるの家」の働きは、
2004年11月5日、東京大学医学部キャンパスにおいて
「生命の文化、価値をめぐる『死生学』の構築
公開シンポジウム べてるに学ぶ-<降りていく>生き方」
として、【当事者】の方を”講師”として招き、【研究】されることにまで
なりました。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/gyouji/s041105.htm(※キーワード「べてるに学ぶ-<<おりていく>>生き方」 で
インターネット検索していただくと、感想、詳細を記したHP
が検出されると思います。)
・・障害、弱さ・・・とされるものですが・・・
それが、排除、淘汰されるものではなく・・・
むしろ、その弱さの中に、
現代社会の行き詰まりを打破するヒントがあると・・・
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ぜひ、上記の本をお読みになってみてください。
みなさんがもし、何かに行き詰っておられたり、
打開策を探求しておられたら、きっと大きなヒントが
隠されていると思いますよ。
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引き続き、進化論的人間観、創造論的人間観に
関してのつづきはこちらです。
http://ameblo.jp/taizo-bokushi/entry-10012870198.html
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