【牧師ですが、南無阿弥陀仏のお話を②】
■阿弥陀仏とキリストの類似点■
阿弥陀仏のルーツを探ると、
「浄土教」を含む八宗の祖「龍樹」という名に行き当たります。
「龍樹」という中国名を持ってはいましたが、彼はインドの人で、
「ナガラ・ジュナ」というのが本当の名前のようです。
仏教辞典によれば、この人物は釈迦よりかなり後の
推定西暦150年~250年の間の人となっています。
一方、インドにキリスト教が入ってきたのが 1世紀頃
といわれています。インドにはクリスチャンがたくさんいて
教会が数多くあったようです。
このような状況から、1cのインドにおいて、龍樹がキリスト教に
接触していた可能性はとても高いのです。
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また、キリスト教の影響があったのは、それだけではなかった
ようです。
阿弥陀仏の信仰を広めた親鸞上人が生前、読んでいたとされる
『世尊布施論(せそんふせろん)』という書物が、京都西本願寺
に宝物として保存されていますが、
この本は、仏典ではなく、かつて、4c~9cの中国には「景教(けいきょう)」
という名のキリスト教が広く伝えられたことが記録されており
その景教の経典なのです。(新約聖書、山上の教訓の漢文訳)
(西安:大秦景教流行中国碑) (『景教』川口一彦著 イーグレープ社出版)
景教で「世尊」とは、「イエス=キリスト」のことを指しています。
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このように、どうも、阿弥陀経のルーツをたどると、
その出発点においても、また、その信仰が究められた時点でも
背後に、何らかのキリスト教の影響があったことが推測されます。
そのあたりが、類似点が多いということの要因ではないでしょうか。
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【阿弥陀仏とキリストの相違点】
しかし、一方で、やはり阿弥陀仏とキリストとの決定的な
相違点があります。それは、【実在性】の問題です。
こんにち、阿弥陀仏に魅力を感じる人でも、その実在性を本気で
説いている人は少ないと思います。
一方、イエス=キリストの実在性は、聖書以外の歴史書が
証明してくれています。イエス=キリストは一体何者かという
解釈は違っても。
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富山に亀谷凌雲(かめがいりょううん)というお坊様がおられました。
浄土真宗 中興(ちゅうごう)の祖といわれる蓮如上人の十八代目
の子孫にあたる方でした。
この方は、経典に示された阿弥陀仏には、感謝しておられたのですが、
実在性の不確かな、史上の事実でないことにたいへん心を悩まされ
「影をみる心地」と表現しておられました。
しかし、キリスト教との接触があり、聖書を学ばれるようになりました。
聖書を学ばれる中で、「キリストは、決して仏教の破壊者でないばかりか
建設者であり、成就者であり、完成者なのであります」という言葉を
残されています。そして、イエス=キリストを救い主として信じ、受け入れ
られました。
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「南無阿弥陀仏」とは、サンスクリット語
「ナーム・アミダーバ、ナーム・アミダーユス」の変化したもので
「わたしは、無限の命、無限の恵み、無限の光を賜る方に帰依します」
という信仰告白のことばです。
阿弥陀仏とは、「アミターユス:無量寿(むりょうじゅ)=永遠の命」
「アミターバ:無量光(むりょうこう)=永遠の光」という観念であって
実在の人物とは考えられていないのです。
(聖書で「光」は「希望」の象徴です)
信仰上の観念としては、変わらない、南無阿弥陀仏信仰と
イエス=キリストを信じる信仰、
観念上かわらないものであるなら、わたくしは、実在性の高い
確実なお方を選び、信仰しようと思ったのです。
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※景教:「景」は「光」を意味します。「光の教え」という意味です。
中国西安にある景教碑のレプリカが、和歌山県高野山にあることから、
「真言宗」と景教との関連も考えられています。
高野山開祖 空海が遣唐使として唐で修行したお寺と
景教のお寺が近接していたことの歴史資料があります。
(中国西安にある景教碑) (和歌山県高野山にある景教碑レプリカ)
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【引用・参考資料】
◆小島英伯牧師 『阿弥陀仏とキリストの不思議な関係』
◆川口一彦牧師 『景教』シルクロードを東に向かったキリスト教
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