緑釉窯変鋲打切足楕円。
先日の大雪に続き、
ここ数日も同じような大雪の予報でしたが
幸い天候が変わり一安心ですね。
大雨も怖いですが
大雪も怖いものだと改めて思いました。
先日(鉢見酒) の続きです。
”ちらちら”とバックに見えていた鉢がこちらです。
平安虹泉作 「緑釉窯変鋲打切足楕円」
先日ご紹介した茶碗の作家と同じで
「虹泉」に手掛けられた鉢です。
同じ方が作った作品にしては
作行が随分違って見えませんか
確かに「茶碗」と「鉢」とで比べるのは難しいのですが
雰囲気的に「茶碗」はスッキリとした”硬い”感じがし
反対に「鉢」は温かみのある”優しい”雰囲気がします。
そう感じる要因の一つが
「茶碗」は電気窯で作られた近年の作品で
「鉢」は登り窯で作られた初期の作品です。
平安虹泉は
東福寺鉢に魅せられ、
昭和40年頃から全くの独学で鉢作りを始める。
焼成を登り窯に固執し、
河合勘次郎窯や
京都府陶磁器協同組合の共同窯で鉢を焼く。
公害防止条例その他で登り窯が使えなくなって以後
登り窯では焼成していないそうです。
非常に東福寺の影響を受けられたようで
この作品は東福寺を髣髴させる素晴らし作品です。
窯変も見事で単色に見える中にも
深みのある色彩が見事です。
足元にまで垂れていることで趣があり素晴らしいです。
盆栽を植えて培養する際の水通りを促します。
滞りなく水が抜けるように工夫されています。
鉢を作り始める10年程前から盆栽をはじめられた様で
鉢自体の美的面だけではなく
培養面でもよく考えられており
鑑賞の美と実用の美を兼ね備えた作品です。
見事な「緑釉窯変鋲打切足楕円」鉢を眺めながら
粋で面白と思いませんか。
私は熱燗で楽しませて頂きたいですね。
近々、ホームページ に掲載します。