トラベル特集ーーもう一度・台南 魅力を再発見 | 台湾観光のブログ

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もう一度・台南 
魅力を再発見

企劃構成‧文/朱佳雯 写真/宋育玫


今回は主にリピーターのためのこだわり台南ツアースポットを厳選してご紹介する。静かな街のリズムにあわせ、いつもよりスローに町角を巡りたい。すると一棟の古民家、伝統の路地が密やかに物語を囁いてくれるだろう。あるいは小さな老舗が綿々と伝えてきた古都の味覚やノスタルジーに出会えるかもしれない。今号でご紹介するのは新しくオープンした「台南藍晒図文創パーク」のほか秘密のスポットともいえる「千畦種子博物館」、そして郊外の新化地区へも足をのばしたい。


ACESS:

藍晒圖文創パーク 台湾鉄道台南駅から車で約10分。

千畦種子博物館 台湾鉄道台南駅から車で約10分。

新化 高速鉄道台南駅から車で約20分。


新しいスポット
藍晒図文創パーク

「藍晒図」とは直訳すれば「青写真・青図面」だが、ここでは台南市海安路にあった街角のアートを指す。建築家の劉国滄が2004年披露したもので、いつのまにか台南オリジナル文化発信のシンボルともなってきた。一度は安全上の問題から撤去されたが、西門路と国華街間の古い宿舍の敷地に再建され、工房と飲食スペースを兼ねた「文化創造パーク」として再スタートを切った。



Add:台南市南区西門路一段689巷
Open:店舗により営業時間は異なる。パークは火曜定休
Web:bcp.culture.tainan.gov.tw


Weeknight

同名の雑誌「Weeknight」が創設した実店舗。「Weeknight」は年六回の発行で、現在第8号。編集には欧米人も加わり、読者に世界の最新情報を提供している。店舗ではそうした雑誌のコンセプトが五感をもって体験できるほか、各期紹介された商品がゲットできる。現在立ち飲みバーが設置され、将来はオリジナルのビールも開発するという。二階は読書スペースとして開放されている。


Open:13:00-20:00、火曜定休


Bon joy

室内は木の目と緑で統一され、まるで町中に小さな森林が出現したよう。商品はすべてデザイナーの喬惠蓉のオリジナル。喬惠蓉はファッション界の出身で英国に留学後ファッショングッズや生活用品に重心を移した。原木を愛する彼女はすべて大自然からインスピレーションを得て、心中に浮かんだ森の風景を作品に取り入れる。台南市内でよくみられる「小葉橄仁(オリーブ)」の枝に長年収蔵してきた生地を組み合わせて生まれたのが「小樹別針」。また「銀葉板根」の種子が一羽の可愛い鳥に生まれ変わったりする。工房では不定期に手作り教室を開催している。



Open:13:00-20:00、火曜定休


聚珍台湾


地球上、あるいは歴史上の台湾の地位を理解してもらいたいと成立された文化スペースで、2階部分では台湾関連資料の展示が随時おこなわれている。日本時代の地図・書籍・DVD・鉄道グッズや絵葉書からお土産類まで店内の商品は台湾のあらゆる時代や地域にまたがる。なかには昭和2年に「台湾日日新報」が読者の投票で選定した「台湾八景」絵葉書の原版ならびに復刻版など貴重な陳列物・商品もある。


Open: 13:00-20:00、火曜定休


原印台南

創業30年以上という老舗の印刷工場。印刷技術を駆使して台南をテーマにした多様な商品を開発中。一階では台南に由来する絵葉書・コースター・スマホケースなどオリジナル商品を販売しているほか、二階では地場の合成帆布店と提携し、最新のUV技術を使って顧客が持参したデザインをプリントするサービスもある。また電気を一切使わないNomadの手動マシーンを使ったエスプレッソも体験できる。

Open:平日13:00-21:00
週末10:00-21:00、火曜定休


不再宿舍

芸術と飲食がコラボした空間。建物も庭も純和風で日本時代は刑務官の官舎だったという。長年放置されてきたが、柱や窓をそのまま残し、竹編の泥壁を再現して見事に修復させた。地場の食材に和風・欧風の手法を加味して昼食・夕食・アフタヌーンティを提供している。台湾伝統の肉臊飯のほか独創的な虱目魚(サバヒー=ミルクフィッシュ)料理とメニューも多彩。ギャラリーを併設。



Tel:886-6-222-1347
Open:11:30-21:30、火曜定休
予約:可/現金/サービス料:無/ミニマムチャージ:一人180元


甘簞行瓦 x Mvsa

当園でもっとも広い空間を占める。宿舍の六室をワンフロアに改造し、天井を高くした。美容チームが経営するレストラン内部はインダストリアルなイメージで統一され、メニューは地産を生かしたスパニッシュがメイン。台南の風情がすると人気の「巴斯克漁夫鍋」は虱目魚(サバヒー)などの海鮮をトマトケチャップ風味でアレンジ。ビールのほかワインもスタンバイ。店内には台湾ブランドの美容品が販売されているほか、使い残したマニキュア・腮紅などを顔料やコースターに再生する手作り教室も開催している。


Tel:+886-6-2201098
Open:11:30-23:00(但し14:30-18:00食事のサービスなし)
予約:可/カード:可/サービス料:10%/ミニマムチャージ:無


秘密のスポット
千畦種子博物館

台南市北区に位置する千畦種子博物館は宮崎駿の映画を想起する秘密のスポットである。オーナーは景観デザインに従事するひと組の夫婦で、構想から三十余年を経て結実した。種子博物館と銘打っても、植物を分類展示しているわけではない。むしろアートとして鑑賞することをお薦めする。参観は電話あるいはネットで予約する。まず半時間程度の中国語・英語のガイドがあり、そのうえで自由参観となる。中には希少な種子もあるとかで、直接のタッチは禁物。




大きなゲートが開かれると生命力みなぎる植物やのびやかな建物の設計に圧倒される。そして一つひとつの種子の美しさに驚かされるだろう。採取したのは主に嘉南平原。オーナーは屏東県の農場の出身で、専門の知識の上に研究と研鑽を重ねたという。案内が終わると館長は自身で植物から蒸留した純露(ハイドロゾル)をサービスしてくれる。館内では種子を素材にした商品もゲットできるので大自然のもつ神秘とエネルギーを持ち帰りたい。



Add:台南市北区東豊路451巷29之1号
Tel:+886-6-2360035
Web:www.facebook.com/QianQiZhongZiGuan
Ticket:一人100元(完全予約制)


 新化
新化地区はかつて「大目降」と表記した。先住民シラヤ族の集落があったところで、「大目降」とは民族語で「山林之地」を意味する。1920年(大正9年)台南州新化郡が成立した際に「新化」と改名された。


大目降文化パーク

前身は日本時代の新化郡役所および警察職員のための宿舍で、創建は1920-1945年。2015年末に補修の上、一般開放された。大目降故事館で親子のためのイベントや展示会が開催されているほか、レストランやショップを併設。「真心食府」で販売されている「乳液ミルクティ」は紅茶・ハーブティ・ミルクをミックスしたもので、口当たりがとてもなめらか。


大目降故事館
Add:台南市新化区和平街29号

真心食府
Open:11:00-18:00、月曜定休


新化武徳殿 

大目降文化パークそばにたつ。日本の時代の警察施設で、剣道の稽古などがおこなわれていた。創建は1925-1928年。天井や床はすべてヒノキ製である。

Add:台南市新化区和平街53号
Open:9:00-12:00、13:30-17:00、月曜・国定休日定休


新化老街


新化は清代より商業が盛んで、日本時代に至り中山路・中正路一帯に商店街が形成され、清代の建築がしだいに和風の商店へと変わっていった。中山路は拡張工事で取り払われたが、中正路には往時の建物が残る。老街(伝統の商店街)では米・反物・漢方・中国菓子などの店舗は現在も営業中だ。


街役場

1920年、台南州新化郡が成立すると大目降に郡役所がおかれた。1934年の区画整理の際に初代町長が寄贈した土地に「新化街役場」が新築された。鉄筋コンクリート製に御影石を配したArtDeco風。戦後も新化鎮公所として利用された。2000年地下駐車場工事の際に一千人の町民を動員して建物全体を移動し、2002年完成とともに原位置に戻したというエピソードがある。現在は「1934街役場史跡餐坊」として史跡レストランとして利用されている。

Add:台南市新化区中正路500号
Open:11:00-22:00、月曜定休


楊逵文学記念館

楊逵(1906-1985)は本名楊貴。新化出身の作家。日本時代から戦後を通じ活躍した。記念館は2005年の開館。日本留学時代の資料から、農民および文化運動に果たした業績、貴重な手稿などが展示・紹介されている。

Add:台南市新化区中正路488号
Open:9:00-12:00、13:30-17:00、月曜および国定休日定休


新化警察局

前身は新化警察署。1999年の中部大地震の際に危険建築に指定されたため、改築された。新しい警察局は直径14メートル、高さ4メートルの巨大な警官の帽子がモチーフになっており、一躍観光スポットになった。サイクリングステーションが設置されており、ペダルを停めて一時休息がとれるほか、レンタルサービスもある。

Add:台南市新化区中山路91号


新化焼餅

一般の中国風焼餅とはやや異なる。青ネギと豚肉がたっぷり入った餡を包んでからからりと揚げる。サクサク感があり、とてもジューシー。玉子焼きとあわせて注文したい。

Add:台南市新化区忠孝路52号
Open:14:30-売り切れまで


葉麦克フライドチキン

葉麦克フライドチキンの特徴は漢方が入ったたれに漬けこむこと。とてもジューシーで香ばしく仕上がる。そのうえ価格がリーズナブルなことから、毎日行列ができる。とくに手羽・鶏腿・胸肉がお薦め。そしてぜひ揚げたて、買いたてで頬張って欲しい。

Location:新化太子宮前(8月以降仁愛街に移転予定)
Open:14:30-18:30