眷村の魅力に触れよう「四四南村」 | 台湾観光のブログ

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「台北101」近くの「四四南村」はかつて「眷村」と呼ばれた集落である。台湾ならではの、眷村の歴史と味覚に出会う旅をご紹介する。



歴史の中の「眷村」


「眷村(=けんそん ジュエンツゥェン)」は、台湾近代史の秘めた物語を背景としている。第二次大戦後、大陸での内戦に敗れた国民政府とともに、兵士とその眷属(親族)が台湾へと海を渡った。百万以上の移住民を収容するため、日本時代の家屋や住宅街を改修するなどして、新しい集落が形成された。これを「眷村」という。

当時の国軍は、中国各省の出身者で構成されていたため、眷村は独特の文化を持つに至った。言語も風俗も衣服も食文化もそれぞれ違う人々の村。それは、それまでの台湾の村落とは全く異なるものだった。

やがて台湾の経済成長に伴い、都市計画のなかで次々に撤去、リニューアルされていった。しかし一方で、眷村文化を残そうと、一部の建物は保存され、展覧館やアートスペースに生まれ変わり、いまや新しいタイプの観光名所として注目を集めつつある。


台北最初の眷村「四四南村



台北信義区の101ビル前にあった四四南村(スースーナンツェン)は、「眷村文化公園」とその名を変え、眷村文化に触れるには格好のスポットとなった。当村は旧日本陸軍の倉庫を改修した台北初の眷村で、人口の拡大に伴い、四四東村と四四西村に分かれた。1999年、四四南村は撤去されたが、四棟の建築物が保存され、現在「眷村展示館」・「文化スペース」「住民センター」として再生している。


レトロな眷村展示館




眷村の文化に興味があるなら「眷村展示館」に向かおう。館内には古い写真や資料を展示するほか、六畳ほどの部屋に当時の生活空間をリアルに再現している。狭いスペースに家族が暮らすためのハンモック、天窓を設け、裏の小路を廚房に利用する工夫がみてとれる。住民が残した文物・日記・砲弾で作られたランプも展示され、当時の生活が偲ばれる。


とってもアートな「好,丘」



「Simple Life簡単生活祭」というイベントを企画・主催している「中子文化」では、村内の古い家屋を用い、「好,丘」という名の美食空間をプロデュースしている。「シンプル・イズ・ベスト」をコンセプトに、アイデアグッズのバザール、地元食材、軽食、音楽がコラボした新しいスポットだ。

「好,丘」に足を踏み入れると、先ず目に入るのは、広大な空間に詰め込まれた新旧のテイスト。古い窓枠とすりガラスで隔てられた厨房は、オープンキッチンで、モンドリアン式の風格をかもし出している。レトロなテーブルとイスが並ぶダイニングにはトレンディなランプが配され、大型の壁画と融合し、食事の一時がギャラリー散策に変わる。「好,丘」企画の展示と手作り商品も見逃せない。最新のアートやグッズが不定期に展示即売されている。



美食だって「好,丘」


「好,丘」の一番人気はベーグル。台南の愛文マンゴー、台東のローゼル、屏東の甘納豆&黒糖&さつまいも、宜蘭のキンカン&黒糖など、地方色豊かな食材を用いたイチオシの味だ。夏なら手作り醸造の台湾フルーツビール、ジュース類もお勧め。人気沸騰中の「好,丘」では、商品が売り切れ、または満席ということもあり得る。そんな時には、「好,丘」の食材エリアへ寄ってみよう。台湾特産の米、ドライフルーツ、手作り麺、有機ジャムが並ぶ。

ADD:台北市信義区松勤街54号(信義公民会館C館)
TEL:02-2758-2609      
www.streetvoice.com/goodchos



多様な楽しみ「屋外広場」


かつて四四南村の屋外は子供たちの楽園だったが、四棟の古民家の中央に位置する屋外広場は、今は観光客の楽園となっている。日曜13時から19時まで、屋外広場は農産品とアイデア商品のバザールに、隔週金曜の20時から21時までは、著名アーチストの李宗盛が主宰する「李吉他」が「星光音楽会」を披露している。また台北市が「眷村文化祭」を開催した際にはここで「眷村美食王PK戦」「眷村棋王戦」「文化講座」「眷村子供遊戯工房」といったイベントが展開された。



眷村ならではの味覚

本来の眷村は姿を消したが、眷村文化を支えた「眷村菜(料理)」は発展を続けている。かつて四四南村内にあった「南村小吃(B級グルメ)店」、眷村内の家庭のようなインテリアの「陸光小館」、「村子口」を訪ねてみよう。




「南村小吃店」の起源は六十年代にさかのぼる。今では近くの荘敬路に移ったが、変わらぬ人気メニューは牛筋、湯葉、鶏レバー、昆布、ブタ耳、豆乾などの「滷味拼盤(醤油煮込みの盛り合わせ)」。食材そのものの味を大切に、それぞれ別の鍋で煮込む伝統の調理法を守り続けている。自慢のタレがじっくりしみ込み、一口毎に本場の味が楽しめる。




眷村出身者に、家に帰ったようだといわせる「陸光小館」は、にぎやかな市民大道四段にある。愛国歌をBGMとする店の看板料理は「乾焼獅子頭(肉団子)」と「川味(四川風)辣子鶏」。湖南料理の名物「蒜苗(ニンニクの葉)臘肉(干しブタ肉)」も必食だ。先ずは特選臘肉を炒め、余分な油を出した後、新鮮な蒜苗を軽く炒め合わせる。お酒にもご飯にも最高の相棒だ。



八徳路三段にある「村子口」は料理はもちろん、眷村風のレトロなインテリアで有名。ここの人気料理は「双醬麺(2種のソースの麺)」、「炒餅(炒め餅)」、「紅焼(醤油味の焼き煮)魚」、「炒臭豆腐(発酵豆腐炒め)」。冬に大人数がそろったら「砂鍋(土鍋)魚頭」。トンコツでスープをとり、揚げた魚の頭と炒めて香りを出したトウバンジャンを加える香り豊かな一品だ。鍋の食材として主人が勧めるのは豚足やカニ。独特の風味が楽しめる。

南村小吃店
ADD:台北市荘敬路423巷8弄14号(信義国中正面)
TEL:(02)2720-7388

陸光小館
ADD: 台北市市民大道四段103號
TEL:  02-87718855

村子口
ADD:台北市松山区八徳路三段12巷52弄34号
TEL: (02)-2579-6455