有難うオッサン
俺が十代後半の頃、そうコンビニでアルバイトを少ししてたころ。まだバーコードではなく、指でレジを打つ時代。
毎晩のようにお寿司を持ってきてくれるオッサンがいた。 寿司屋が閉まっている時は「お兄ちゃん、3000円で安いけど、これで何か食べて」ってお金をくれる。
そのオッサンは、数年後亡くなった。 ある日俺が街をフラフラ歩いていると、見知らぬ人が俺を呼びとめ「あなた、あのコンビニで働いてた人だよね」、で俺は「はい、そうですけど・・・・」と答えた。
その見知らぬ人は、「あのオジサン覚えてる、君の事気に入ってたよ」「でもね、亡くなったんだ。亡くなる前に君によろしく伝えて欲しいと・・・」
俺の中で、何故? と感じた。 俺はそのオッサンに何かしてあげたわけじゃない、いや何もしていない。ただの店員とお客さんだ。
俺をどこか息子のように思っていてくれたような気はしてたけど・・・
話しは変わって、そのコンビニに月に一度くらい刺青丸出しの背の高いパンチパーマのアンちゃんがウーロン茶を4本ほど買っていってくれた。
そのアンちゃんは「このウーロン茶、なんぼで売れると思う?」と聞いてきたので、俺は「さー」と答えた。
アンちゃんは「1本1万円!すごいやろ!」
そのままアンちゃんは、そのコンビニの横にあった屋台のおでん屋さんに行って、ウーロン茶を4本売っていた。
そう4万円で、、、、 これは所場代らしい。 しかし高いウーロン茶や、でも屋台をその場所でやっていくには、それを払うしかない。
その組の若い衆もよく数人でそのコンビニに買い物に来た。物凄いスーツ着て・・・
で、かぎってレジにお客さんが並んでる時、若い衆数人で最後尾に並ぶ。
俺はお客さん皆知ってるから、「お客さん、ちょっと待ってて、あの人等先に会計するから」って言って、「先にどうぞ~」と組員の勘定を先に済ませ、お店を出て行ってもらってた。
そのやり方について、他のお客さんからクレームを貰ったことが無い、でもね当時のあの空気の中ではそうするのが一番良かった。
毎朝、その組のアンちゃんは俺にコーヒーをおごってくれてたし・・・ 組員も悪いな~ って思ってたんやろな。
俺がそうしてあげなカッコ付かんしな。
俺も尼崎時代、そういった人等に囲まれて育ったから慣れてるし^^
まぁ他にもいろんな客がいた。 女子高生で、ちょっと悪そうで、また可愛いお客さんもいた。その子も毎日買いに来てくれた。
「お兄ちゃん、お弁当持ってきてあげようか^^」とか言ってくれた。まぁ俺は断ったけど。
その女子高生はたまに物凄い事も言ってくる。
俺、「合計で○○○円です」と言うと高校生「お兄ちゃ~ん、今日私お金持って無いの・・・ おごって~」だって、
どんなコンビニや~
おごったか、おごってないか覚えてないけど・・・・