「泥棒」
今月の14日、隣の散髪屋さんに泥棒が入った。 明け方に泥棒はバールでお店のドアをこじ開け、店内に忍び込んだ。その時にその物音に気付きマスターが店を覘いた瞬間、泥棒は店から逃げ出したとの事。
泥棒は店の横に車を横付けにしていたらしい、仲間が車の中で監視しながら待機していたのだろう。
その次の日、体調を崩し寝付けなかった俺は、少しの物音にも敏感になり、物音がする度、何度もハンマーを持って一階へ降りた。
一階は義母と娘しかいないから、もし泥棒が入ったらと心配になったため・・・
夜中3時頃、物音どころか完全に1階に誰かが居る物音がした、俺の枕元にはハンマー。とにかく1階の物音に神経を集中させた。
すると冷蔵庫を開ける音、卵を掻き混ぜるような音、食器の音、ジャーを閉める音、娘の部屋のドアが閉まる音。
完全に真夜中にお腹が空いた娘の行動であった。
子供の頃、何度も放火にあった。ある日、親父と親父の店の従業員がいつも火を付けられる所を見張っていた。そして犯人を取り押さえた。翌日新聞に大きく載った。
学校で担任の先生が授業中に新聞を広げ「この記事、お前の家の事だよな。凄いな」だって。
泥棒と放火魔は違うが、何故か連続放火的な恐怖を思い出していたのだろう。