博多周辺紀行・その2 | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

6月の福岡セミナーが終わった次の日、私は山口県の温泉めぐりに出かけたのである。

 

今回の温泉めぐりコンセプトは“逃避行”である。

 

フェイスブックには、「探さないでください」と、新山口の駅名をバックにトランクを引いた私の後ろ姿を投稿したいと思っていたのである。sei

 

で、新幹線から降りてきた人に写真を頼もうと思ったのだが、なんと、新山口で降りた人、たった4名。しかも、全員、私の前を歩いていってしまい、いきなり企画倒れ。駅名を自分で撮るのが関の山であった。sss

 


さらに、この日は俵山温泉の『富士屋旅館』に宿泊しようと目論んでいたのであるが、電話がつながらず、調べてみたところ閉館していたことが判明‥‥。

 

俵山温泉で唯一、自噴泉のあるお宿であったのに、なんと残念なことか‥‥。

 

日本全国、地方の温泉宿がものすごい勢いで閉館している。だからして、できるだけそんなお宿に宿泊しようとがんばっているのであるのであるが、なかなか、力およばずなのである‥‥。

 

『富士屋旅館』は湯治宿で、12食付で6,500円から8,000円程度であった。このような良心的な宿から順番に閉館に追い込まれているようなのである。

 

この日はその後、俵山温泉近くの湯本温泉で宿を探したところ、有名な温泉宿の『大谷山莊』で平日限定・洋室プランが納得の1万円で提供されていたので、すぐさま予約した。

 

一転、ここは川べりの立地の超VIPな高級宿である。

 

高級ソファが置かれた見上げるばかりの高い天井のラウンジ、さらにシェフが腕によりをかけて作る懐石料理。とても優雅な気分であった。

 

さらにこの湯本温泉には、私の個人的ランキングで100 点をつけた『恩湯』と呼ばれる共同浴場がある。

 

たぶん、湯本温泉で100%源泉掛け流しの浴場はここだけではないかと思われるのだが、ものすごく気持ちがよいお湯である。ぶた

 

pH9.8のアルカリ性単純泉なのであるが、浴槽に身を沈めると、まろやかなお湯が体全体を優しく包みこみ、思わずため息が出る。

 

私の個人的な感想は、とても女性性の強いお湯だということである。

 

競争社会を生き、疲れ果てた男性性のエネルギーを包みこむように癒してくれるのである。湯温も38℃程度で、いくらでも入っていられるのである。

 

ふだん私が温泉めぐりをするときは、その地域にある温泉に入れるだけ入り、調査する。

 

が、しかし、ここ湯本温泉においては、とにかくスキあらば『恩湯』、ヒマさえあれば『恩湯』と、『恩湯』にばかり入ってしまうのである。

 

この地にはもう一つ、『礼湯』といわれる共同風呂もあるのだが、あまりにも『恩湯』が素晴らしいのでなかなか行く機会がない。『礼湯』もそれなりに素晴らしい湯質なのだが、『恩湯』の前にはかすんでしまうのである。

 

共同浴場が素晴らしいのは、このような良質な掛け流しのお湯に、朝6時から夜23時ぐらいの間、1回たった200円で入れることであろう。

 

もちろん、石けんもシャンプーもリンスもなに一つ置かず、必要な人は自分で持っていき、それぞれの人がそれぞれのスタイルでゆっくり入湯できるようになっているのである。

 

基本、どの温泉地に行っても、共同浴場はいちばん良いお湯が、ほとんどの場合、源泉掛け流しで昔ならではの使い方がされている。

 

さらに、大型旅館の大浴場のようにバカでかい浴場はまずなく、こぢんまりとしている。それがゆえに源泉が守られているといってもいいかもしれない。

 

有名旅館のお風呂と違い、渋く古い浴槽が一つあるだけで、けっして洒落ているとはいえないところが多いのであるが、地元の人に愛されており、浴室内は毎日、当番の人が丹精込めて掃除をしてくれている。

 

実用的な、また、昔ならではの温泉が楽しめるので、私は温泉めぐりをするときはこの共同浴場を中心に回るようにしている。

 

みなさまも、もし、どこかの温泉地に行かれることがあれば、その地にひっそりと隠れるように存在している地元専用の共同湯を楽しんでみられることをおすすめする。

 

温泉地によっては、地元の人しか入れないところや、専用のカギが付いているところもあるのであるが、宿に頼めば、宿泊客に限り、利用できるという場合も多いのである。

 

一度、お試しあれ。