不安が最も大切な「今」を侵食する | 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

物理の予備校講師で『微積で楽しく高校物理が分かる本』の著者の田原真人が、物理の学び方のコツを紹介。物理が分からない人は、公式を丸暗記するのを止めて、解法体系を学びましょう。必ず道が開けてきますよ。

田原です。
こんにちは。

センター試験まであと4日。

いかがですか?

普段よりも集中して勉強ができていますか?


締め切りが近づいてくることで火事場の馬鹿力が発動し、フロー状態に入ることができます。


集中力が高まって、時間がゆっくり進む感じ。


でも、もし不安や焦りがあると、フロー状態ではなく、別の方向へ向いてしまうことがあります。


いわゆる「焦って、勉強が手に着かない」という状態。


今日は、この状態からどうやって抜け出すのかという話をします。


この状態を支配しているのは、失敗への恐れですね。


失敗したらどうしようと考えると、失敗のイメージが湧いて、そのイメージがさらに、恐れを増幅して体が緊張で固くなっていく・・。

完全な悪循環に陥るわけです。


このように書いている僕も、実は、何度か同じような悪循環に陥ってしまったことがあります。


例えば、「物理をこれから始めたい人のための科学史・数学」を執筆していたとき。

物理をこれから学びたい人のための科学史/数学―なぜ物理法則は数式で書かれているのか/理工図書

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書きながら、「科学史の専門家でない自分が科学史の本を書く」ということに対して怖れが生まれてしまったんです。


間違ったことを書いたら、専門家に突っ込まれるんじゃないかということが気になり始めて、すっかり気持ちが縮こまってしまいました。


当たり障りのないことしか書けなくなり、その状況で書いた原稿を見直すと、これが、全く面白くない・・・・

それを読んで、さらに自信喪失・・という悪循環にはまりました。

そして、すっかり書けなくなってしまいました。



執筆の締め切りも迫ってきて、本当に追い詰められてきたときに、ようやく自分の心を見つめて、開き直ることができました。


まず、自分が何を恐れているのかを分析したんですね。


そうすると、自分の怖れが、勝手に心の中に作り出した「自分を非難する専門家集団」というものがいることが分かりました。

「彼ら」は、

「それは、学会で否定されている!」
「それは、史実に基づいていない!」


など、いろいろなことを言ってくるわけです。

その声に押されて、すっかり気持ちが小さくなってしまい、つまらない、当たり障りのないことしか書けなくなってしまっていたのです。

そこで、「彼ら」にはなくて、僕にある「強み」について考えることにしました。

それは、科学史に対して「新鮮な気持ち」を持っているということです。

つまり、「彼ら」が遠い昔に忘れてしまっている

「科学史ってすごーーーい!おもしろーーーーい!」

という気持ちを、今まさに感じていて、それをそのまま伝えることができるわけですね。

そう考えて、ようやく、「自分が出来ること」を見つけることができました。

それで、思いっきり、自分がワクワクしたポイントを書いていくことができました。


当時の僕は、

自分が出来ないこと(専門的な知識に基づいて本を書くこと)について、出来ないと思い悩んでいたわけです。

その後、自分が出来ること(新鮮な気持ちで、何が面白いかを書くこと)を見つけることができました。

自分が出来ることが見つかると、不思議と心が落ち着いて、やるべきことに集中できるようになりました。

それまでに書いていたつまらない原稿を捨て、最初から書き直しました。

寝食を忘れて資料を読み漁り、書きまくりました。



さて、今のみなさんにできることは何でしょう?

みなさんに出来ないことは、合格を確定することです。

当たり前ですね。

まだ試験を受けていないんですから。

だから、「落ちるかもしれない」ということに気持ちを向けると、不安は増幅していくばかりなんです。


では、出来ることはなんでしょうか?

それは、今、ベストを尽くすことです。


「この1週間、勉強が手につかなかった・・・」ということを後悔する人もいることでしょう。

でも、もし今日、気持ちを切り替えることができて、残りの期間に精一杯のことをすることができたとしたら、あなたは、自分の不安と付き合う方法を見つけたということです。


それは、一生役立つ気づきですよ。


センター試験の点数なんかとは比べ物にならない、あなたにとって、今後、ずーーーーーーと役立つ財産になります。


僕たちは、不確定な将来に対して、今を生きています。

不確定であることを受け入れられずに、不安を増幅させていくと、本当に大切なものである「今」が浸食されてきます。


どうやったって不安は付きまとってきて、「今」を侵食してきます。


そのとき、どうやったら「今」を充実させることができるのか。


これは、受験が終わっても、ずっと付き合っていく問題です。

何かをやり遂げるためには、常に現れてくる問題です。

みなさんが、今、対面しているのは、そういう大きな問題です。

もし、ここで自分なりに折り合いをつけて、受験を乗り切ることができれば、それは、本当にすばらしいことだと思います。


★2015年センター物理の出題予想をダウンロードできるようにしました。

http://ameblo.jp/tahara-phys/entry-11974314285.html


(追加)

センター試験後のサポート体制を準備しています。

1/18の夜に、どこよりも早く解説講義をUPします。

1/19から、「2体問題」の動画講義をUPします。

2/2に、「2体問題のライブ講義」を行います。

センターが終わった瞬間から、2次私大モードへ突入できるように、スイッチを入れる準備をしています。

センター後が、本当の勝負です。

フィズヨビ生は、2倍速で講義を聴きまくって、最後の仕上げをしてください。

ラストスパートをフィズヨビに託したい人は、

・基本編の力学・波動・熱・電気・磁気・原子などから、 苦手分野を選んで受講する。
 http://phys-yobiko.com/mou2.shtml

・応用編+PDF版で、難関大の解法を一気に学ぶ。
 http://phys-yobiko.com/B4.shtml

というのがおすすめです。

そして、最後の最後の20点アップは、

◆難関大徹底対策講座
http://phys-yobiko.com/nan2014.shtml