トニー・シェイの幸せの3原則から主体的な学びを考える | 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

物理の予備校講師で『微積で楽しく高校物理が分かる本』の著者の田原真人が、物理の学び方のコツを紹介。物理が分からない人は、公式を丸暗記するのを止めて、解法体系を学びましょう。必ず道が開けてきますよ。

田原です。こんにちは。


2012年からフィズヨビをもっと進化させようと思って、「反転授業」を導入し、研究しています。
 

これは、最初に動画などで予習してから、教室で演習をしたり、グループワークをしたりするものです。

 
「反転授業」を導入する目的の1つは、学習者の主体性を引き出すことです。
 

では、なぜ主体性が重要なのでしょうか?


  
学校教育では、教科書に「正しいこと」が書いてあって、それを覚えて、テストで点数を取るということが繰り返されます。

 
それを通して、考えずに鵜呑みにする学習態度が身に付いてきてしまうのです。

 
しかし、学校を一歩出れば、「答のない問題」が溢れています。

 
その中で一番重要な問題は、「自分がどう生きるか」という問題です。

 
その問題に取り組むための力は、「正しいこと」を鵜呑みにする学習では身に付かないのです。
 

「自分がどう生きるか」という問題に取り組むためには、自分の好きなことや、好奇心を育てていくことが重要だと思います。

 
「自分のやりたいことを一生懸命やる」ということがコアにあって、そのために必要なことを学んでいくようにすると、自分の方向性が次第に見えてきます。
 

やりたいことにこだわって学んでいくと、だんだんやりたいことが変わっていくと思います。
それは、学ぶことによって世界認識が深まり、より本質的な問題へと興味が移行していくからだと思います。




ザッポス・ドットコムという靴の通販サイトがあります。この会社は、社員が主体的に行動できるような仕組みがあって、驚異的な業績を上げています。


そのCEOのトニー・シェイは、幸せの3原則として、次の3つを挙げています。

(1)快楽

(2)情熱

(3)崇高な目標


 
「やりたいこと」には、レベルがあるんですね。

何かに快楽を感じながら進んでいくと、情熱が生まれるときがあります。

フローと呼ばれる集中した状況が生まれ、時間がゆっくりと進む感覚になり、生産性がすごく上がります。
 

さらに続けていくと、自分のやっていることの意味や意義に気づくようになり、同時に世界に対する理解が深まってきます。
 

自分をもっと成長させたい、もっと自己実現したいという気持ちが生まれ、遠大な目標が見えてきます。


このような状況になると心の底からパワーが出てくるような感じになると思います。
 


これは、主体的に学んだり、行動したりするからこそ、得られる状態です。

その第一歩は、面白いと思うこと見つけて、それに一生懸命取り組むこと。

「田原の物理」は、そのための素材を提供し、ライブ講義で、主体的に学ぶ楽しさを実感してもらっています。

ここで経験したことが、皆さんの将来によい影響を及ぼすことができればうれしいです。


(追)

快楽→情熱→崇高な目標 という流れは、僕自身のキャリアの中でも起こっています。

快楽:授業をすると楽しいな。雑談がうけてうれしい。

情熱:フィズヨビの講義を作りまくる。書籍の執筆をしまくる。

目標:主体的に生きることの意味を考え、それを支援するために様々なことを学んで力をつけたい。

気づきが深まり、より大きな目標と行動が結び付けられると、力が湧いてきますね。