高校物理を勉強している人から
「物理公式を暗記しても、問題が解けない」
という相談を受けることが多いです。
物理ネット予備校の無料講座のコメント欄にも、
「物理公式は覚えていますが、問題が解けません」
「物理公式を当てはめる問題は解けますが、ちょっとひねられれば解けません」
といったコメントが並びます。
これは、いったい何なのでしょうか?
物理公式を暗記しているという状態は、たとえるなら、頭の中の記憶の引き出しの中に、「物理公式」がごちゃごちゃに入っている状態です。
引き出しに入っている「物理公式」と全く同じものを目の前に出されて、
「これと同じものを見つけて持ってきなさい」
と言われれば、引き出しをごそごそかき混ぜて、何とか目的のものを取り出すことができます。
これが、
「物理公式を当てはめる問題は解けます」
という状態に相当します。
しかし、入試問題レベルになると、そうはいきませんよね。
一見したところ同じには見えないものが目の前に示されて、
「これに適したものを見つけて持ってきなさい」
と言われるわけです。
こうなると、記憶の引き出しに「物理公式」をごちゃごちゃと投げ込んでしまった人は、適切な公式を見つけられません。
これが、まさに、
「物理公式を当てはめる問題は解けますが、ちょっとひねられれば解けません」
ですね。
では、物理の問題が解けるようになるためには、どうしたらよいでしょうか?
引き出しを整理して、それぞれの物理公式の間の関連性を調べ、分類して、ラベルをつけ、必要に応じてどれを取り出せばよいのかすぐに分かるようにしておく必要があります。
僕は、この作業を、「解法体系を作る」と呼んでいます。
では、どのようにして「物理公式」を整理したらよいのでしょうか?
実は、とてもうまい整理法があるのです。
物理公式は、数式で書いてあるので、ある公式から、別の公式を式変形によって導くことができたりするのです。
そのような「導出関係」によって整理すると、非常にきれいに整理することができます。
また、1つ1つの物理公式を丸暗記しているのと違って、ある部分を忘れてしまったからといっても、別の物理公式を覚えていれば、式変形によって導くことができるので安心です。
そんな便利なことを、学校の物理の授業で教わっていない?
それには、理由があるのです。
ある物理公式から別の物理公式を導く式変形には、多くの場合、微積分が使われます。
高校物理は、「微積分を使わないで説明する」ことになっているので、ほとんどの場合、学校では説明してくれないのです。
一部の高校の先生だけが、こっそり教えてくれるだけなのです。
だから、高校生の多くは、物理公式がばらばらのまま記憶の引き出しに入った状態になっていて、公式をそのまま当てはめる問題は解けても、ちょっとひねられた問題は解けないという悩みを抱えてしまっているのです。
では、どうやったらこの問題を解決できるのか?
これをご覧下さい。
公式を暗記しないで高校物理の問題を解く方法