3D会議室でイベント「東大は物理で差をつけろ」を実施 | 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる

物理の予備校講師で『微積で楽しく高校物理が分かる本』の著者の田原真人が、物理の学び方のコツを紹介。物理が分からない人は、公式を丸暗記するのを止めて、解法体系を学びましょう。必ず道が開けてきますよ。

3Dアバターによるペルソナ効果を体験した僕は、3D会議室にアバターで参加してもらう講演会を開くことにしました。


担当の方から連絡が来て、3Dイベント会場で打ち合わせをしました。


「こちらの会場にアバターで来てください」


というので、指示されたURLからログインして、アバターをゲームのように操って進んでいくと、そこには、女性のアバターが立っていました。


そのアバターが担当の方でした。


そこで、音声チェックや動画チェックを行いました。


操作画面には、

・うなずく
・手を上げる
・拍手する
・話す

などのアクションボタンがあり、それを押すと、アバターがそれぞれの動作をします。


「これは、イベントに使えるぞ!」


と思いました。

「当日は、よろしくお願いします!」

と挨拶をして、別れました。




いよいよ当日。


3D会場は、100名ほどの席がある大ホールで、前には巨大スクリーンが設置され、スライドがスクリーンに表示されます。


あまりに立派な会場なので、有楽町マリオンでホーキング博士の講演会を聞いたときを思い出しました。


最初の参加者の方が入り口から会場に入ってきたときは、ある種の感動がありました。



「好きなお席にお座りください」



と声をかけると、ややぎこちない動きで、あちこちに移動しながら、ようやく席の1つに座ることができたようでした。




その後、次々と参加者が入ってきて、会場が埋まっていきました。


時間が来たので、アバターを操作して壇上へ行き、


「では、時間が来ましたので、これから始めたいと思います。」


と言うと、会場のアバターが、いっせいに拍手してくれました。


・東大の出題傾向
・難関大の物理を解くときの注意点
・2体問題の解法
・記述式の解答の解き方

などを話し、時折、



「分かりましたか?分かった方はうなづいてください。」



などと、リアクションを求めながら進めていきました。


そこに相手がいて、リアクションがあると、話している側としてもモチベーションが高まるという効果を感じました。


参加者からの質問や感想は、チャットボックスに書き込んでもらい、それにどんどん回答していきました。


リアルの講演会場だったら、スタッフがマイクを持って回らなくてはならないと思いますが、3D講演会なら、それが簡単にすばやくできます。


講演会が終わり、その後は、会場の外のプールサイドで懇親会を行うことにしました。スタッフの方がプールサイドへの出口の上に、大きく矢印で「懇親会の会場はこちら」と表示してくださり、参加者の方たちはアバターを操って外へ出ました。


プールの水の上も歩けてしまったり(笑)、「はじめ人間ギャートルズ」に出てくるようなマンモスの肉のような巨大な骨付き肉がテーブルにおいてあったり、遊び心のあるスタッフの方が会場を作ってくださり、そこで、音声チャットをして講演会の感想を伺いました。


最後は、円陣を組んで、「拍手をする」を使って1本絞め。

「ありがとうございました。」

という言葉がチャットボックスに流れ、一人ひとり、プツンと消えていきました。



3Dアバターを使った講演会を行ったという経験は、今でも心にしっかりと残っています。

大勢のアバターたちを前にして話し始めるときには、ある種の緊張感を感じました。

参加者の方も、他の参加者の方の存在を感じながら、講演会を聞くということができて、臨場感があったのではないかと思います。



このイベントは、教育関係のはじめての事例として取材を受け、東京IT新聞に載りました。(新聞の中の写真は、プールサイドで一本締めをしているところです)

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株式会社3Diでも、教育関係の事例として紹介されています。


-求めたのは"臨場感"と"親近感"- 予備校の名物先生がたどり着いた3Dインターネット講義

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バーチャルでどこまでできるのか、リアルにはないバーチャルのよさ、メリットとは何なのかを、最高の技術を体験することで理解することができました。

その意味で、3Dアバターを使った講演会は、とてもよい経験になりました。


3D会議室を使ったイベントのデメリットは、

・準備に時間がかかってしまうこと
・コストがかかること
・PCやネット環境の影響を受けやすいこと

です。

3番目のデメリットは、今後、改善されてくると思いますので、将来は、あちこちで3Dアバター講演会が開かれるようになるのかもしれませんね。


3Dアバターを使ったイベントで感じた臨場感を、もっとシンプルな装置でも再現できるのか?


そう思った僕が次に取り組んだのは、Ustreamを使ったイベントでした。


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