日本小児科医会雑誌に同封されていた東京の小児科医会が作成したQ&A集からの転載です。以下、転載

Q.こどもの熱の原因にはどのような病気があるのでしょうか?

A.代表的な原因には下記のような病気があります。
・気道の感染症:風邪(主に喉などのウイルス感染症をすべて含みます)、急性咽頭炎、急性扁桃腺炎、クループ、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、急性気管支炎、急性肺炎
・ウイルス感染症:突発性発疹、インフルエンザ、プール熱、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)風疹水痘(みずぼうそう)、アデノウイルス感染症、EBウイルス感染症、急性脳炎・脳症
・細菌感染症:溶連菌感染症、尿路感染症(腎盂腎炎)、細菌性髄膜炎、細菌性胃腸炎

以上、転載。

上記中、色が変わっている病気はワクチンで防ぐ(または軽症化する)ことができるものです。あくまで代表的な疾患ですので細かいものをあげると他にもありますが、恐らく小児の発熱疾患のほとんどは上記に含まれると思います。また数的に圧倒的に多いのはウイルス疾患です。ウイルス疾患は自然治癒するものばかりで基本的に根本治療はありません(一部の抗ウイルス薬が開発されているものを除く)。よって抗生物質が必要な細菌感染症を除き、小児の発熱疾患は自然と経過を見ていると治ってしまうということです。発熱があるから抗生物質を投与するという短絡的な治療ではなく、本当に細菌が関与しているのか、抗生物質が必要なのかを慎重に検討することは、こどもたちに無駄な治療をせず、耐性菌をこれ以上増やさないためにも必要です。