Sell in May and Go Awayはないかも、の展開 | 太田忠の縦横無尽

Sell in May and Go Awayはないかも、の展開

4月も半ばを過ぎた。株式市場は相変わらず活況が続き、海外投資家が本格的に参戦。調整しそうな局面も押し目買い意欲が強く、結局調整がないに等しい展開である。


さて、3月のモデルポートフォリオのご報告である。
3月のマーケットは日米市場とも高値を更新。


米国市場は4ヵ月連続の上昇となり、NYダウは史上最高値を記録。金融緩和策が当面継続するとのFRBによるメッセージに加えて、雇用統計、製造業・非製造業景況感指数、消費者態度指数などが予想を上回る内容となった。しかしながら、キプロスによる欧州債務問題の蒸し返しで利益確定売りムードが強まった。月末においてキプロスの銀行が2週間ぶりに営業を開始し、大きな混乱がなかったためダウは史上最高値を更新。またS&P500も史上最高値を記録。3月のダウは14578ドルで取引を終え524ドル上昇し月間の騰落率は+3.7%。ナスダックは3267ドルとなり107ドル上昇の+3.4%となった。


日本市場は8ヵ月連続上昇し、小泉郵政改革以来の記録(05/5~06/1の9ヵ月連続上昇)となった。2012年度の日経平均は+23%となり上昇率は2009年度以来3年ぶりの大きさとなった。3月は上旬までは黒田総裁による日銀の強力な金融緩和への期待、NY市場の過去最高値更新、円安などを背景に急上昇した。その後はキプロス問題から不安定な動きとなり、4年半ぶりに一時12600円台を回復した日経平均は弱含みの展開に。売買代金はほぼコンスタントに2兆円前後をキープした。3月の日経平均は12397円で取引を終え、先月末の11559円から838円上昇し月間騰落率は+7.3%、Topixは+6.1%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+9.3%、マザーズ指数は+12.3%となり大型株に対してアウトパフォームした。


太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における3月のパフォーマンスは+4.5%となり、年初来は+12.6%(2月末+7.8%)、累計では+79.7%(2月末+71.9%)と順調に運用資産は積み上がり、過去最高値を3月も更新。保有株式のウェートはやや増加し2月末の57%から3月末は62%へとアップした。ヘッジ戦略は現在おこなっていないため、ネットロング比率は2月末の57%から3月末は62%へと変化した。


4月に入ってからは日銀の異次元金融緩和政策の発表で、株式市場は急騰、為替は急激な円安となり、4/12現在のモデルポートフォリオは+93.0%まで積み上がっている。+100%目前である。


為替は対ドルで一度は99.70円まで円安が進んだものの、足踏み状態が続いている。100円を超えると105円のレベルを目指して急激に動く可能性があるため、マーケット上昇の追い風となるだろう。例年この時期になると「Sell in May and Go Away(5月に売り逃げよ)」と称して身構えるものだが、今年は異例の金融緩和策が敷かれているため、例年とは異なる展開になる可能性が高い。すなわち、ほとんど調整らしき調整のない展開である。逆指値によるリスク管理をおこないつつ、強気のポートフォリオ戦略を継続する。


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太田忠の縦横無尽 2013.4.18

『Sell in May and Go awayはないかも、の展開』