株式市場も激動の1週間 | 太田忠の縦横無尽

株式市場も激動の1週間

今週の日本のマーケットは、ものすごいことが起こった。


(1)日経平均先物が3/15に7795円まで下落

(2)日経平均が3/15に歴代3位の1015円安

(3)東証1部売買高が3/15に過去最高の57.7億株を記録

(4)為替が史上最高値の1ドル76円台を記録


東北大地震の影響があまりにも甚大なこと、福島第1原発での爆発事故、東京電力の計画停電、急激な円高…など株式市場にも牙をむいて押し寄せた津波により、投資家も次々に飲み込まれてしまった。追証の発生やロスカット注文の発動などで投資家が大きく入れ替わってしまったようだ。


弊社のモデルポートフォリオはリスク管理を徹底しているが、3/14(月)の寄り付きで利益確定/損失確定逆指値が次々とヒットし、60%弱だった投資ウェートがいきなり半減。計画していた逆指値よりもかなり低い位置にて強制的に資金回収が起こった。


明けて翌日。福島原発での爆発事故報道とともに、昼休み中に一気に先物の価格が下がり、あっという間に8000円を割った。明らかにパニック売りだと判断し、投げ飛ばされてしまった銘柄中心に買いの逆指値をセット。パニック売りが終息するとみるみるうちに株価が戻り、ほとんどの銘柄にて買戻しができた。下落局面におけるキャッシュのありがたさを実感した。投資簿価が低下した。


今週の日経平均は-10.2%、ジャスダック平均は-10.8%と猛烈に下がったが、モデルポートフォリオは-3.3%の下落にとどまった。しかしながら、この数字は運用開始以来最大の下げ幅である。厳しいものだ。


海外マーケットでは日本の原発の行方が最大の関心事であり、世界の株式市場の短期的な行方は福島第1原発にかかっているといっても過言ではない。新たな地震による災害や原発による被害が発生せず、事態が収束していくならば株式市場は徐々に冷静さを取り戻し、回復に向けて動き出すだろう。今は静かに見守るしかない。


信用取引や差金決済などで目一杯の無理をしていると、最も厳しいときに最も悲惨なことが起こる。そんな投資スタンスは、今回のような非常事態では壊滅的な被害を被ることになる。常に余裕のある運用体制が重要である。


太田忠の縦横無尽 2011.3.18

『株式市場も激動の1週間』

        **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**