ひと足早くおせち料理を楽しむ | 太田忠の縦横無尽

ひと足早くおせち料理を楽しむ

師走も中盤入り。そろそろ慌ただしくなってくる頃 ―。


妻の主宰する料理教室「サロン・ド・マルルー」 の12月の献立のメインテーマはクリスマス&お正月である。


順番的にはクリスマスが先ではあるが、お正月に食べるもの、すなわち「おせち料理」のレッスンが先行してすべて終了し、今年も多くの生徒さんたちが受講した。初級クラスの「おせち料理の基本の基」と上級クラスの「ワンランク上のおせち料理」がそれぞれ2回ずつ開催された。写真は左が初級クラス、右が上級クラスのものである。


太田忠の縦横無尽-おせち料理 - サロン・ド・マルルー


料理教室は平日および土曜日のお昼~夕方の時間帯にかけておこなわれるのだが、料理教室開催日の私の夕食はそこで作られた料理が出てくる。したがって、まだ正月にもなっていないのにすでに私は4回もおせち料理を食べたのだ。ただし、日によってはある特定の品が食べ尽くされてしまい、私の食卓にはのぼらない、という悲しいこともままある。参加人数よりも1人分多目につくっているらしいのだが、いやー皆さん食欲旺盛だね、ということで、今回は「紅白なます」が食べられない日があった。


子供の頃は、おせち料理といってもあまり食べたいものがなく、伊達巻や栗きんとんなど、もっぱら甘い系のものばかり手をつけて、他のものはあまり興味がわかなかった。そもそもおせち料理の味付けの趣向が大人向けであり、子供の料理ではないのだ。だから「紅白なます」などは絶対にその良さは理解できない。そういうことはおせち料理に限らず、誰にもよくあるはずだ。例えば、昔ピンとこなかった「タラの芽」や「ふきのとう」の天ぷらは大人になってから大好物になったりする。


しかし、私のような年齢になると「おせち料理はとても良い」と感じる。数の子やくわいを肴にうまい日本酒を飲む…。いいねぇ。最高の贅沢である。


ところで、おせち料理に欠かせない「祝い肴三種」は関東と関西では異なるのをご存じだろうか。関東は「田作り、数の子、黒豆」であるが、関西では「たたき牛蒡、数の子、黒豆」である。田作りとたたき牛蒡はともに「豊作」を、数の子は「子孫繁栄」を、黒豆は「まめに働き、まめに暮らすという勤勉・健康」を願っての品だ。料理教室では、田作りもたたき牛蒡も作っていたので、関東&関西の両方に対応したメニューだったようだ。


ところで、デパートなどで予約売りされているおせち料理の値段はぼったくりもいいところである。3万円や5万円、なかには10万円(!)などというのを見ると、驚いてしまう。「年に1回、年の初めを贅沢かつ手間いらずで」という気持ちで無理してでも買う人たちが多いのを見ていると、少しお気の毒な気がする。


妻曰く、「おせちはそんなに手間はかからずに、いいものができるのよ。それをあまり知らない人たちがとても多くて残念」とのことである。


今年のおせち食材の卸価格は例年に比べて1~3割安い。一方、既製品のおせちは相変わらず強気商売である。


太田忠の縦横無尽 2010.12.18

『ひと足早くおせち料理を楽しむ』

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