2010年09月17日(金)

ケータイを携帯せず

テーマ:日常のこと

「太田さんのケータイ番号を教えていただけますか?」


ビジネスでもプライベートでもいつもよく聞かれる。でも、この質問は困るのだ。なぜならば、私の場合、ケータイの使用方法は一般の人たちとはなはだ異なっているためだ。


思えば、今から15年くらい前(1995年頃)から、一般の人たちもちらほらケータイを持つようになった。ちょうど私の机の前に座っていた10歳年上の会社の先輩が「仕事で使うから、会社にレンタルしてもらって自分用に1台用意してもらった」というのを聞いて、初めてケータイを見せてもらったのを鮮明に覚えている。「これはさすがに携帯電話というだけあって小さいですね」と思わず私は言った。しかし、現在のケータイの4倍くらいは大きく、今の若者が見たらおそらく吹き出すような代物である。


私にはどうも新しいものにホイホイと飛びつかない昔からのクセがあって(良いことか悪いことかいまだによくわからないが)、携帯電話にもあまり興味を示さなかった。便利は便利だが、これを持っているとどんな場所にいても追いかけられて、いつ誰から無差別にジャーンと電話がかかってくるかもしれない緊張感を強いられる気がするからである。


しかし、そういう私もそれから3年後くらいにはマイ・ケータイを買ってしまった。なぜか。それは公衆電話が激減して外出先から容易に電話がかけられなくなったからである。したがって、私のケータイの利用法はもっぱら「公衆電話」の代わりであり、自分が相手に電話をかける時しか使わない。だから、普段は電源さえ入れていないのである。


この話をある人にすると、腰を抜かさんばかりに驚かれた。「え、太田さんはメールを使わないんですか? ニュースを見ないんですか? 電話もとらないんですか?」


さよう、そうである。だから、「ケータイの番号を教えてほしい」と言われても、以上のような話を簡単にして、呆れられながら教えないという作戦に出る。いざ教えて普通に電話をかけられてもこちらが応答しない失礼きわまる事態を避けるためだ(かつて、何人かの人から「いつ電話をかけてもつながらないのだが、大丈夫ですか?」と妙な心配をされたことがある)。そういう私においてケータイの最大の活用法は、誰かと待ち合わせたり、ミーティングがある場合などのときに、万一遅れたりする時に連絡を取るために、あらかじめお互いのケータイ番号を事前に確認するというものである。これだって、そう非常事態は起こらないから、ほとんどケータイを使うことはない。


昨日、外出先からの帰りに東急東横線で横浜方面から戻ってきた時のこと。


午後3時くらいの時間帯だったので、幸い電車は空いており、私は座席に腰をかけて座っていた。そして何気なく、前の人たちを見て驚いた。なんと座席に座っている7人が7人ともケータイを手に親指体操をしているのである! 高校生とおぼしき女の子、主婦らしき女性、サラリーマンのおじさん、品のよさそうな御婦人、そして若い大学生風の男、それからよく思い出せないがあと二人。


見知らぬ他人同士座っているはずなのに、全員が同じ格好、同じ動作をしているのを見たのは初めてである。異様な光景だった。そんなに面白いのだろうか?


太田忠の縦横無尽 2010.9.17

『ケータイは携帯せず』

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