『太田忠の「勝者のゲーム」』が本日スタート | 太田忠の縦横無尽

『太田忠の「勝者のゲーム」』が本日スタート

『太田忠の「勝者のゲーム」』が本日スタートした。


これは、株式会社アイフィスジャパンが提供する投資情報関連サイト「IFIS 株予報」における連載コラムである。サイトはこちらを参照


機関投資家が「敗者のゲーム」ならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をやろう! をキャッチフレーズにするためにタイトルを『太田忠の「勝者のゲーム」』とした。「勝者のゲーム」というのはもちろん、「敗者のゲーム」に対する対義語で株式投資に詳しい方ならニヤッとされただろう。敗者のゲームとは、米国のチャールズ・エリスが1975年に書いた論文『The Loser’s Game』で一躍脚光を浴びた概念である。


テニスの試合において、プロのゲームとアマチュアのゲームとでは全くその性質は異なる。プロのゲームにおいては、得点は勝者側の狙いが的確に決まったときにはじめて獲得することができる。これはまさしく自ら得点を勝ち取ることが勝利を導くという意味において「勝者のゲーム」である。一方、アマチュアのゲームにおいては自らのショットが見事に相手側のコートにヒットするなどということはめったになく、敗者側が一方的にミスを重ねることで結果的に勝者ができあがる。これは「敗者のゲーム」であり、株式運用の世界においては、こうした性格がきわめて強い。数多くのプロのファンド・マネジャーが競争している世界においては、勝者になるゲームをするのではなく、敗者にならないゲームをおこなわなければならない。自分のミスを最小限に抑えながら、相手側がミスを重ねて自滅していくのを見届け、最後まで生き残るのが、結局のところ勝利者となる。プロの投資家の多くは市場平均に負けている。


そこで、私が提唱したいのは機関投資家が「敗者のゲーム」ならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう、である。フルインベストメントで制約の多いファンド・マネジャーに比べて、個人投資家は非常にフレキシブルであり、かつインターネット証券のおかげで「リスク管理」も徹底しておこなえるようになった。機関投資家よりも圧倒的に優位な立場にあるのだ。しかし、そのことに気づいている個人投資家は少ない。資産運用とは「気づき」であり、「気づくか、気づかないか」が投資家としての明暗を分けると私は考えている。


毎月2~4回のペースでコラムを更新し、毎回株式投資や資産運用について論じる予定。コラムの長さは1500字程度と短いながらも、個人投資家にとって「気づき」となる題材を取り上げていくつもりだ。乞う、ご期待。


太田忠の縦横無尽 2009.12.24

『太田忠の「勝者のゲーム」』がスタート
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