2009年10月21日(水)

ゴルフ拒絶症

テーマ:経済・社会

「太田さん、よかったら今度ゴルフに行きませんか?」


たまに声をかけられることがある。だが、返事はいつも判を押したように決まっている。


「すみません、ゴルフをやらないので参加しません。申し訳ないです」 ― 。


私が社会人になった当時の昭和63年は、まさにバブルの最盛期だったので日本中がゴルフブームに沸いていた。全国各地に新たなゴルフ場が次々と開発され、ゴルフ会員権が飛ぶように売れて投機商品のように価格が高騰し、皆競うように何ヶ月も先のゴルフ場の予約を入れていた。およそサラリーマンでゴルフをやらない人はいないのではないか、といったような雰囲気の時代だった。


私の同期の新入社員たちも、給料が少ないにもかかわらず自前のゴルフクラブを買い求め、お客さんとの接待ゴルフと称して、休日にもかかわらず平日の出勤時間よりも俄然朝早い時間に出掛けていくのだった。


私はこういう浮かれたような風潮が生来的に好きではなく、加えて休日まで仕事の延長線上を続けなければならないような趣味は持ちたくなかった。そこで、「ゴルフは一切しない」という誓いを立てたのである。


あれから20年以上が経過し、あの「誓い」どおりに一度もゴルフ場に足を入れたことがなく、打ちっぱなしの練習場に通ったこともなく、一度たりともゴルフクラブを握ったこともない。もちろん、ゴルフ会員権で大損することもなかった。完璧に自分の約束のコミットメントに見事成功したのである。


しかしながら、プロゴルファーの試合を見るのは好きである。最終ホールまで縺れこんでそこで決着がつく、というパターンは一番のお気に入りである。私がそもそもゴルフをやらなかった動機は「無駄な時間を過ごさない」という大した理由ではなかったが、プロたちの戦いを見ていると、これは本当に真剣勝負の、心と体のあらゆる要素がすべて問われるスポーツであることがよくわかる。しかも完全に個人プレーであり、戦う相手は自分だけという「ぬるま湯」的な部分が一切ない厳しい世界だ。


おそらく、素直にゴルフとつき合って、技術が向上しているならば、毎週ゴルフ場に通っていたかもしれない。しかし、へとへとになってしまい、休日が休日ではないだろうな、と思う。お得意先に気に入られて大きな商談がまとまるというチャンスもひょっとして逃したかもしれないが、まあ、とりあえず「拒絶症」だったことを良しとしよう。


宮里藍、上田桃子、横峯さくらなどの若手ゴルファーの台頭で女子ゴルフの世界が3年ほど前から急速に活気付いた。それに対して男子ゴルフ界はベテラン勢の衰退で全く閑古鳥が鳴いていた状態だったが、彗星のごとく登場した石川遼の目を見張る大活躍で一変した。まだ十代なのに並外れた度量と技術力を持っておりすばらしい。


それにしてもTVのスポーツニュースを見ていていつも感じることがある。人気選手を追っかけることばかりに集中し、ものすごく偏った報道になっていることだ。「今日の○○選手はどうだったでしょうか。あー残念ながら7位でしたね」とだけ放送して、トップ選手のことが一切触れられないというのはあんまりだと思う。ゴルフもそうだが、一時期の卓球の愛ちゃんもひどかった。彼女よりもずばぬけた実績を持つすごいトッププレーヤーがいるのにほとんど報道されておらず、平野早矢香の存在をつい最近知った。そういえば、2006年の冬季オリンピックの女子フィギュアスケートではその直前まで安藤美姫ばかりが取り上げられ、荒川静香はほとんど話題にされることがなく、TVで見ることがなかった。


太田忠の縦横無尽 2009.10.21

「ゴルフ拒絶症」

       **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**



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