2009年08月08日(土)

口と鼻とではこんなにも違う内視鏡検査

テーマ:日常のこと

人間ドックの話の続きである。


私にとって人間ドックの一番の収穫が「自分の血液型を知った」ことだと書いたが、その反対にイヤなことも出てきた。そう、内視鏡検査を毎年受けなければならなくなったのだ。


私が受ける内視鏡検査は胃である。40歳で初めて人間ドックを受けたときは、もちろん一般的なバリウム検査だった。ところが、問診の時間になって私のバリウムの写真を見ていた先生が突然暗い表情になり、眉間に皺を寄せている。


「うーん、これは再検査が必要だな」。今まで健康診断で何度もバリウムを飲んできたが、こんなことを言われるのは初めてだった。「いや、胃の数ヶ所に影が出てましてね、胃カメラを飲んで精密に調べないといけません」


「え、ひょっとしてガンですか?」。恐る恐るたずねてみた。「何とも言えませんが、胃の中にポリープがあるのは確かです。すぐに検査の予約をとりましょう」


ということで、その日は沈痛な心持で自宅に戻った。私の家系には「ガン」で亡くなった者はほとんどいない。「まさかとは思うが、さすが40歳にもなるとあちこちに支障が出てくるものだな」。とにかく、再検査の日まで心は晴れなかった。


そして、当日の朝。胃カメラ検査なのでもちろん前日の午後9時以降は何も口にしていないのだが、初めての検査を受けることと、その結果が「ひょっとして」という思いでちっとも空腹を感じなかった。


昔の胃カメラは相当大変だったらしいという話は知っていた。サイズが大きいため、まず飲み込むのに一苦労し、カメラのケーブルが太いためその圧迫感と嘔吐感とで苦しめられ、「もう二度と受けたくない」というのが大多数の人たちの偽らざる感想だったのだ。だが、改良の末、随分と良くなったとも聞いていた。


初めて間近で胃カメラの装置を見たとき、「え、これを本当に口の中に入れるのか?」とちょっと一瞬戸惑った。ちっとも小さくないではないか。だが、もはや時を止めることはできない。検査が始まった。


「はい、ちょっと圧迫感がきますよ」「はい、どんどん入っていきますよ」「しっかり口を開けたままにしてください」「はい、もっとどんどんはいります」と先生がいちいち説明しながらやるものだから、飲み込んだとてつもなく長い物をだんだん吐き出したくなり、嘔吐感を止めることができなくなった。「苦、苦しい」と話そうとするがしゃべれないのである。そして、周りで見守る女性の看護師が三人とも私の体をおさえようとするのだ。これでは暴れることもできない。「もう限界だ」と思った瞬間、胃の中に入れられていた空気が抜かれ(胃に空気を送られると膨張感が高まり、不快極まりない)、急に苦しみから解放され、ようやく平常心にもどった。ただし、最後にカメラが喉を通ろうとした時にまた「オエっ」と嘔吐感に襲われた。


とにかく、苦しい検査だったが、その場で直ちに診断が下され、胃カメラで撮影した写真を手渡された。「これは胃底線ポリープといって良性のポリープで、ガン化することはありません。胃の中も非常にきれいで、ピロリ菌はないですね。でも、毎年検査を受けてください」という言葉だった。ほっとしたよりも、疲れのほうが勝っていたため、あまりうれしそうな表情を作ることはできなかった。


それから毎年内視鏡検査を受けている。ただし、翌年からは口からではなく、鼻から入れる胃カメラでやっているのだが、これがとてつもなく楽チンである。こんなにも違うものなのか、というくらいの違いである。今年の検査も無事終了し、胃カメラで激写した記念写真をもらった。


もし、胃の内視鏡検査を受けられることがあった場合、私は鼻から入れる胃カメラを断然おすすめする。カメラのケーブルが細いことと、口から入れていないため嘔吐感に悩まされることがほとんどない。ただし、蓄膿症や鼻づまり体質の人には不向きなので、そういう人は口から入れてもらうしかない。


太田忠の縦横無尽 2009.8.8

「口と鼻とではこんなにも違う内視鏡検査」

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