スポーツクラブの効用 | 太田忠の縦横無尽

スポーツクラブの効用

スポーツクラブに行きだしてからかれこれ4年ほど経つ。


前々から体がかなり硬くなっているのが気にはなっていたのだが、40歳という年齢を過ぎてからは「これは何とかしなければ」という焦りに変わった。といっても、私はもともと自ら進んで運動するタイプでは全くなく、学校の体育の時間は苦痛でしかたがなかった。いかに楽をしながら1時間を過ごすか、ということばかりを考えていたのであった。


ちょうど社会人になった頃、日本中でジョギングブームが巻き起こり、中高年の人たちが無理をしすぎて「心臓発作で死亡」という記事が連日のように新聞を賑わせていたので、「運動は体に悪い」と会社の先輩たちに公言してはばからないほどであった。本気でそう思っていたのだ。


ただ、さすがの私も「仕事が忙しい」という口実だけで現状を放置するわけにはいかなくなった。ちょうどその頃、コナミスポーツのIRの人から「太田さん、一度うちのスポーツクラブを見学に来ませんか」と言われたので、青山にあるジムへ出かけた。まさに渡りに船だった。


体を鍛えるためのマシンはまばら、プールに人がほとんどいない、面白そうなスタジオプログラムがある、という私のスポーツクラブに対するイメージとは全く正反対となる3つの好条件が揃っていたので入会することにした。自分ひとりでトレーニングしても長続きはしないことは最初からわかっていたので、トレーナーの方をお願いすることにし、毎週日曜日に通い始めた。


あれから4年間が経過し、我ながらよく続いているものだと思っているが、週一度とはいえこれだけ継続しているとやはり効果は大きいようだ。


まず体が柔軟になった。スポーツクラブ以前は就寝前に体操をしていても、なかなか体が言うことをきかなかった。足を前に投げ出して前屈運動をしてみても、手が足に全く届かず30センチくらい離れているのである。脚の裏側全体にビーンと電気が走る感覚を覚え、思わず「いてててて」となる。こっちは真剣に取り組んでいるのに、それを見ていた妻が大笑いして「冗談でやっているのかと思った」と腹立たしいことを言っていたのも遠い過去のようだ。


今日のトレーニングメニューは、2kmのランニング、スミスマシンを用いた37kgのバーベルでのスクワット15回×3セット、同じ重さのバーベルでのデッドリフトを10回×2セット、45kgのベンチプレスを8回×3セット、足を上げたハードな腹筋を15回×2セット、バックエクステンションを15回×2セット、ラットプルダウンを35kgで15回×2セット。これをわずか40分という短時間でこなし、ストレッチをして終了。


正直かなりきつい。体育の時間、サボることばかり考えていた昔の私がトライしたら気絶するような密度の濃いメニューである。だいたい水曜日頃まであちこち体が痛い状況が続くのだが、体重は維持しながらも脂肪が筋肉にどんどん変化している。ぽっこりお腹とも無縁となった。生涯で最も運動しているのが実は今現在なのである。


それにしても、最近のスポーツクラブは不況の影響で人がどんどん減っているのがわかる。これから医療費が爆発的に増大していく世の中、病気になってからでは遅すぎる。スポーツ振興費という名目で、体力増進、健康維持などのスポーツに関わる費用を国がわずかでもよいからサポートするという制度があればなあ、と前々から思っている。意識的かつ継続的に運動に取り組むことで、病気や動けなくなるという潜在的悪状況から逃れることができる。国に迷惑をかける可能性もぐっと減るはずだ。


太田忠の縦横無尽 2009.7.19

「スポーツクラブの効用」

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