2009年05月27日(水)

個人投資家の投資戦略は「塩漬け戦略」&「損失戦略」

テーマ:金融・マーケット・資産運用

本日は名古屋で初仕事だった。名古屋証券取引所主催の株式講演会へ出かけて戻ってきたところである。


第一部は大阪ガス、第一三共、豊田通商による企業説明会、第二部は「現状のマーケットにおける有効な投資視点とは」と題して私が話をするというものだった。応募は500名程度あったが、会場の収容人員の関係で250名の参加者でおこなわれた。


(1)現状の投資環境をどう認識するか、(2)大型株vs小型株のそれぞれの投資魅力度および今の相場で最も投資価値が高いエリア、(3)投資ルールの徹底でパフォーマンスを上げる、という3本柱で話をさせてもらった。


私が最も伝えたかったのは(3)である。そして、個人投資家がどれくらいリスク管理をしながら株式投資をおこなっているのかが知りたかったので、逆にこちらからも質問してみた。そして、驚くべき状況を再確認したのである。


平日の昼間のイベントなので、参加者の年齢層が高くなってしまうのはしかたがないのだが、参加者のうちネット証券を使っている人々はわずか20%程度に過ぎなかった。今や個人投資家の売買の70%はネット証券経由のはずであるが、それはあくまでも売買代金をベースにした話であって(活発に動いているお金だけが反映される傾向が強まる)、個人投資家の人口ベースでは決して70%という高い数値にはなりはしない、と考えねばならない。そして、次の質問では、ネット証券を使って自分なりの投資ルール(損切りルールなど)を実践している人は全体のわずかに5%くらいしかいなかったのである!


私も個人投資家の立場で、ネット証券を利用してみて改めて驚いたのだが、ネット証券の売買ツールはたいしたものである。逆指値、W指値、+-指値、Uターン取引、トレーリングストップ注文など損失管理だけにとどまらず、利益拡大のための投資戦略が自在におこなえるのだ。これは、プロのファンド・マネジャーもうらやむ技であり、フルインベストメントが基本の投資信託に比べると、個人投資家は今や圧倒的優位である。だが、悲しいかな、これだけ好環境が整っているのに、リーマンショック以後、ほとんどの個人投資家が壊滅状況にある。


「損切りは早く、利食いは遅く」という格言は通常の人間の行動パターンとは実は逆である。20%も上昇すれば含み益が減るのを恐れて売却したくなり、株価が下がれば実現損にしたくないからどこまでも含み損を抱えるようになってしまうのだ。この一般人なら誰でも陥りやすい投資行動を自分の意思で変える必要がある。そこで、今回は「-5%ルール」を提唱してきた(5%ルールではない)。要するに、運用資産の月間損失許容度が最大-5%におさまるように個別銘柄に逆指値を置き、リスク管理を徹底するというものである(個人投資家がそもそも運用資産の-20%以上もの損失を出してはいけない)。最大損失リスクをまず決定し、リターンを追求するようにしなければ株式投資で成功するはずがない。損失が常に勝る投資戦略は文字通り「損失戦略」である。リスク管理の徹底は、個人投資家ならば簡単におこなえるのだ。それに気づかねばならない。


こうしたノウハウはこれから弊社が開講する『投資講座』でお伝えしていく予定であるが、個人投資家の投資戦略が「塩漬け戦略」であってはならない。フルインベストメントで塩漬けになると投資戦略はなくなってしまう。「長期投資が大事」とか何とか言って問題をすり替えながら我慢することくらいしかできなくなるのだ。そうした「損失戦略」から一刻も早く脱却しなければならない。


太田忠の縦横無尽 2009.5.27

個人投資家の投資戦略は「塩漬け戦略」&「損失戦略」

         **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**



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